[春秋要約170415]千葉の小3女児殺害は、信頼し身の安全を託した男の犯行。胸の中を北風が吹き抜ける。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/4/15付

クリを拾いにひとり山へ入った寺の小僧さん。夢中になっているうちに日は沈み、道に迷ってしまった。途方に暮れて歩いていると一軒の家に出くわす。中からは親切そうなおばあさんが現れて「泊まってけ」ともてなしてくれた。小僧さんは疲れて眠りだしたが……。
▼東北地方などに伝わる民話「三枚のお札」である。優しいおばあさんは実は山姥(やまんば)で、小僧が寝静まったころに食べてやろうと包丁を研いでいたのだ。信頼し身の安全を託した相手が、形相を変え命を狙ってくる子供心を揺さぶる怖さがあった。千葉県の小3女児殺害をめぐり、男が逮捕されたとの一報には言葉が出ない
▼ベトナム国籍のリンさんの遺体を遺棄した疑いがある46歳は、近所に住み小学校の保護者会会長をしているという。通学路での見守り活動も引き受けており、まさに児童や親らにとって困った時に寄り添ってくれるはずの頼れる存在だった。住民らから「信じられない」の声が漏れる警察は単独の犯行とみているらしい。
和尚が小僧に持たせた「お札」は川や山に変化し山姥の追跡を妨げてくれた。そんな護符など持ってはいないリンさんの脳裏を最後によぎったのは、どんな悲しみだったろう。見守り活動をさらに見守る部隊が要る時勢なのか。サクラが散り、ハナミズキやツツジが咲こうという春だが、胸の中を北風が吹き抜けるようだ。

要約

[297/300文字]
東北地方などに伝わる民話「三枚のお札」。
優しいおばあさんは実は山姥で、小僧が寝静まったころに食べてやろうと包丁を研いでいたのだ。信頼し身の安全を託した相手が、形相を変え命を狙ってくる。

千葉県の小3女児殺害で逮捕された46歳の男は、近所に住み小学校の保護者会会長をしているという。
通学路での見守り活動も引き受けており、困った時に寄り添ってくれるはずの存在だった。

和尚が小僧に持たせた「お札」は山姥の追跡を妨げてくれた。
そんな護符など持ってはいないリンさんの脳裏を最後によぎったのは、どんな悲しみだったろう。見守り活動をさらに見守る部隊が要る時勢なのか。
サクラが散り、ハナミズキやツツジが咲こうという春だが、胸の中を北風が吹き抜けるようだ。

[196/200文字]
東北地方などに伝わる民話「三枚のお札」。
優しいおばあさんは実は山姥で、小僧が寝静まったころに食べてやろうと包丁を研ぐ。
信頼し身の安全を託した相手が、形相を変え命を狙ってくる。

千葉小3女児殺害で逮捕された近所に住む46歳の男は、小学校の保護者会会長をしていた。
通学路での見守り活動も引き受けており、困った時に頼れるはずの存在だった。

リンさんの脳裏を最後によぎったのは、どんな悲しみだったろう。
胸の中を北風が吹き抜けるようだ。