2016/9/16付
「蓮の花は平和の象徴。祖母がつけてくれた名に誇りを持っている」。民進党のトップに選出された蓮舫参院議員はきのうの午後、代表選投票直前の演説で、父方が台湾人である自らのルーツに触れてなかなか熱っぽいところを見せていた。聞かせるスピーチではある。
▼二重国籍問題のバッシングを逆手に取った情感たっぷりの語り口。よく通る声。報われぬ女性や子どもへのエール。うまいものなのだが、この「芸」には外(け)連(れん)味(み)もつきまとう。だから何をやるのか。そのために、どうするのか。かの「2位じゃダメですか」もそうだが、言葉は格好いいけれど噛(か)んでみるとどうも頼りない。
▼政権交代をなし遂げた旧民主党栄光の時代ははるかに遠く、いまや政党支持率は1割前後をうろうろしている。反転攻勢のきっかけさえつかめず、安倍自民の隆盛を指をくわえて眺める体たらくなのだ。その焦りと危機感が、華のあるこの人を代表選で圧勝させたに違いない。しかしそこに実はなるか。実(じつ)をあげられるか。
▼キャンペーンガール蓮舫の往時を知る世代としては、とはいえその変貌ぶりにいささかの感慨を抱く。だから政治家としてのさらなる成長に期待をつなぎ、まずは臨時国会での挙措など拝見しよう。蛇足ながら、蓮は花もいいが地中のレンコンにも値打ちがある。起死回生、崖っぷちで再生をめざす党首にその滋味ありや。
要約
[300/300文字]
「蓮の花は平和の象徴。祖母がつけてくれた名に誇りを持っている」。
民進党のトップに選出された蓮舫参院議員のスピーチはうまいが、外連味もつきまとう。
だから何をやるのか。
そのために、どうするのか。
政権交代をなし遂げた時代ははるかに遠く、いまや政党支持率は1割前後をうろうろしている。
反転攻勢のきっかけさえつかめず、安倍自民の隆盛を指をくわえて眺める体たらくなのだ。
その焦りと危機感が、華のあるこの人を代表選で圧勝させたに違いない。
しかしそこに実はなるか。
実(じつ)をあげられるか。
政治家としてのさらなる成長に期待をつなぎ、まずは臨時国会での挙措など拝見しよう。
蓮は地中のレンコンにも値打ちがある。
起死回生、崖っぷちで再生をめざす党首にその滋味ありや。
[198/200文字]
民進党のトップに選出された蓮舫参院議員のスピーチはうまいが、外連味もつきまとう。
だから何をやるのか。
そのために、どうするのか。
いまや政党支持率は1割前後をうろうろ、反転攻勢のきっかけさえつかめない。
その焦りと危機感が、華のあるこの人を代表選で圧勝させたに違いない。
しかしそこに実はなるか。
実をあげられるか。
蓮は地中のレンコンにも値打ちがある。
起死回生、崖っぷちで再生をめざす党首に政治家としてのさらなる成長に期待してみよう。