2016/11/17付
大ヒットした映画「シン・ゴジラ」の主役が踏み抜いたのでは、と思うほど激しく陥没したJR博多駅前の大通りが埋め戻された。原因の究明や近隣への補償などなお難問は残るが、事故から1週間での復旧に各方面から「早い」「素晴らしい」と称賛の声が聞かれる。
▼決め手は流動化処理土だった。巨大な穴にたまった水の中でも固まる特殊な土のことで、地元の会社が急ピッチで生産し、現場へピストン輸送した。復旧には日ごろのライバル関係を超え、市内・県内の土木、建設業者らが自分たちの仕事を後回しにして駆けつけたという。トラックや重機は昼夜を分かたずに働き続けた。
▼ネタバレにならぬよう気をつけて記せば、復旧に向けたこうした情景も、政府と民間の企業が一致団結してゴジラを「処理」した冒頭の映画のシーンと重なり、興味深い。突貫工事を終えた福岡市の高島宗一郎市長は「官民一体のオール福岡。この心意気なしに復旧はなし得なかった。日本の底力だと思う」と胸を張った。
▼起きたことを後悔しても仕方ない。重要なのはどうリカバリーし、ダメージを最小化するかだ。福岡の埋め戻し作戦は、企業や組織の不祥事対応の原則を思い起こさせる。もっともこの街で地下鉄工事にともなう陥没事故が起きるのは3回目だ。いくら復旧が見事でも、同じ過ちが続けば「リカバリー以前の問題」となる。
要約
[296/300文字]
陥没したJR博多駅前の大通りが埋め戻された。
原因の究明や近隣への補償などなお難問は残るが、事故から1週間での復旧に各方面から「早い」「素晴らしい」と称賛の声が聞かれる。
決め手は流動化処理土だった。
地元の会社が生産し、現場へ輸送した。
復旧には市内・県内の土木、建設業者らが自分たちの仕事を後回しにして駆けつけた。
高島福岡市市長は「官民一体のオール福岡での復旧。日本の底力だ」と胸を張った。
起きたことを後悔しても仕方ない。
重要なのはリカバリーや、ダメージの最小化だ。
福岡の埋め戻し作戦は、企業や組織の不祥事対応の原則を思い起こさせる。
もっともこの街で陥没事故が起きるのは3回目だ。
いくら復旧が見事でも、同じ過ちが続けば「リカバリー以前の問題」となる。
[200/200文字]
陥没したJR博多駅前の大通りが事故から1週間で埋め戻された。
原因の究明や近隣への補償なども残るが、各方面から称賛の声が聞かれる。
高島福岡市市長は「官民一体のオール福岡での復旧。日本の底力だ」と胸を張った。
起きたことに対するリカバリーや、ダメージの最小化が重要だ。
福岡の埋め戻しは、企業や組織の不祥事対応の原則を思い起こさせる。
もっともこの街で陥没事故が起きるのは3回目。
復旧が見事でも、同じ過ちが続けば「リカバリー以前の問題」となる。