[春秋要約161004]人間とは何かを探究し、細胞の自食作用解明で大隅氏がノーベル生理学・医学賞受賞。<39文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/10/4付
人は両手を広げて立つと正方形に、その手を上げて両足を広げると円に、それぞれ内接する――。レオナルド・ダ・ヴィンチはこんなスケッチを残した円や正方形は天と地を象徴する。この図は世界の中心が人間であるというルネサンス期の価値観を示すものという。
徹底した肉体の洞察は「最後の晩餐(ばんさん)」や「モナ・リザ」など、驚くほど自然な動作や表情をたたえた名画に結実したあくなき人間への関心洋の東西を問わない杉田玄白らがオランダ語の医書を手に解剖を見学したのがスケッチから280年後の1771年だ。4年かけ翻訳「解体新書」を出す。西洋医学の事始めだ。
▼ダーウィンの進化論が1859年、その数年後、今度は修道士のメンデルが地道なエンドウマメの観察から遺伝を担う「粒子」があると提唱した。やがて、その真の姿が化学物質のDNAとわかり、二重らせんの構造であると解き明かされて60年余。どの遺伝子の異常が何の病気に関連するのか、各国が解析を競う時代だ。
▼ノーベル生理学・医学賞に大隅良典・東京工業大学栄誉教授が決まった。細胞内で役割を終えたたんぱく質を掃除し体を保つ自食作用を突き止めたという。難病の治療に資する研究だ。人間とは何か。その問いをたゆまぬ探究心で追った末の栄誉だろう。事始めから営々と積み重ねられた成果でもある。心から祝福したい。

要約

[288/300文字]
レオナルド・ダ・ヴィンチは人が両手を広げて立ち、天と地を象徴するスケッチを残した。
杉田玄白らが「解体新書」を出す。
ダーウィンの進化論。
メンデルがエンドウマメの観察から遺伝を担う「粒子」があると提唱。
やがて、その真の姿がDNAとわかり、二重らせんの構造であると解き明かされて60年余。
どの遺伝子異常と病気が関連するか各国が解析を競う。

ノーベル生理学・医学賞に大隅良典・東京工業大学栄誉教授が決まった。
細胞の自食作用を突き止めたという。
難病の治療に資する研究だ。
人間とは何か。
その問いをたゆまぬ探究心で追った末の栄誉だろう。
事始めから営々と積み重ねられた成果でもある。
心から祝福したい。

[200/200文字]
レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチ、杉田玄白の解体新書、ダーウィンの進化論。メンデルの遺伝を担う「粒子」提唱。
その真の姿がDNAで、二重らせんの構造であると解き明かされて60年余。
各国が遺伝子の解析を競う。
営々と積み重ねられる成果。

ノーベル生理学・医学賞に大隅良典・東京工業大学栄誉教授が決まった。
細胞の自食作用を突き止めたという。
難病の治療に資する研究だ。
人間とは何か。
その問いをたゆまぬ探究心で追った末の栄誉だろう。
心から祝福したい。