2017/7/14付
甲子園球場での夏の全国高校野球は今年が99回目という。晴れの舞台をめざし、各地で予選がまっ盛りである。関東のある県で炎天下の球場へ足を運んだ。投球が打者の背を通ったり、一塁へ悪送球があったりと技術的にいまひとつでも、手を抜かない真剣さが伝わる。
▼ブラスバンドやOBらも含め、スタンドはムードの盛り上げに懸命だ。走者を一掃する一打に一瞬、場内は静まり、ゲームセットで悲鳴のような歓声がわく。ここでは敗者が多数派だ。甲子園への切符を手にするまでの道の険しさを改めて思う。一方で、常勝を求められる強豪チームのプレッシャーも相当なもののようだ。
▼夏の甲子園で2004年、05年と連覇した北海道の駒大苫小牧高。当時の香田誉士史監督は自身の評伝「勝ち過ぎた監督」で、最初の優勝後の1年間の重圧を「百キロのバーベル」とたとえた。2度目の優勝時には「顔が引きつっちゃって」。06年も決勝に駒を進めたが、対戦相手に点を入れてほしいとさえ思ったという。
▼学校や保護者、道民の期待は熱く、加えて不祥事の際、非難はひときわ高まる。監督が疲弊するさまが痛々しい。評伝に思った。勝ち続けることはきわめて難しい。いつかは誰もが敗れる。徳島・池田高を率いた名将、蔦(つた)文也監督はこんな言葉を残した。「人生は敗者復活戦」。負けて涙を流す皆さん、負けにこそ学ぼう。
要約
[285/300文字]
夏の全国高校野球は各地で予選がまっ盛りである。
ここでは敗者が多数派だ。
甲子園への切符を手にするまでの道の険しさを改めて思う。
一方で、常勝を求められる強豪チームのプレッシャーも相当なもののようだ。
夏の甲子園で2004年、05年と連覇した北海道の駒大苫小牧高。
当時の香田誉士史監督は自身の評伝で、最初の優勝後の1年間の重圧を「百キロのバーベル」とたとえた。
学校や保護者、道民の期待は熱く、加えて不祥事の際、非難はひときわ高まる。
監督が疲弊するさまが痛々しい。
勝ち続けることはきわめて難しい。
いつかは誰もが敗れる。
徳島・池田高を率いた名将、蔦文也監督はこんな言葉を残した。
「人生は敗者復活戦」。
負けて涙を流す皆さん、負けにこそ学ぼう。
[199/200文字]
夏の全国高校野球は各地で予選がまっ盛りである。
ここでは敗者が多数派だ。
甲子園へ道の険しさを改めて思う。
一方で、常勝を求められる強豪チームのプレッシャーも相当なもののようだ。
夏の甲子園で2004年、05年と連覇した駒大苫小牧高。
当時の香田監督は、その重圧を「百キロのバーベル」とたとえた。
勝ち続けることはきわめて難しい。
いつかは誰もが敗れる。
池田高を率いた蔦監督はこんな言葉を残した。
「人生は敗者復活戦」。
負けて涙を流す皆さん、負けにこそ学ぼう。