[春秋要約160929]人間の文明が地球の摂理を崩しているなら、猛省せねば未来の秋は味気ない。<35文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/9/29付

朝、窓を開けるとキンモクセイの芳しい香りにハッとさせられた。常緑の葉が伸びる枝元で、小さな花が揺れて愛らしい。季節がゆっくりと移ろうのを感じる。今年もあと100日を切ったと聞けば気がせくが、夜長に家族らと時期ならではの味に触れる楽しみがある
▼松本清張の推理小説「砂の器」に秋の深まりを思わせる場面があった。捜査に行き詰まった刑事の今西が後輩と一杯やって帰宅する。10月も末のある日だ。「お茶漬けがほしいな」という今西に妻が「大根がおいしくなりましたよ」と告げる。食卓には煮付けが出ていた。重苦しいストーリーが一瞬ゆるんで、息がつける。
▼7~9月に出回るダイコンは主に北海道や青森産で、ことしは相次ぐ台風でおおきな被害を受け、値上がり傾向が続く10月以降は千葉、神奈川、徳島産に主流は移るが、こちらは9月中旬から続く日照不足が心配だ。おでんや鍋のわき役が貧弱ではやや興ざめする。もう一つ、昨年来のサンマの不漁も気になるところだ。
▼北海道沖の水温が上がり、冷水を好むサンマが近寄らなくなったのが一因という。異常な自然現象に人間の生活がどんな影響を及ぼしているかはわからない。もしも、文明の恩恵に浸りきって地球の摂理を崩してしまっているなら、猛省せねばなるまい。ダイコンやサンマのうまさを思うまま楽しめぬ未来の秋は味気ない

要約

[293/300文字]
秋の深まりを思わせ、季節がゆっくりと移ろうのを感じる。
今年もあと100日を切ったと聞けば気がせくが、夜長に家族らと時期ならではの味に触れる楽しみがある。

7~9月に出回るダイコンは相次ぐ台風でおおきな被害を受け、値上がり傾向が続く。
10月以降に出回るダイコンは9月中旬から続く日照不足が心配だ。
もう一つ、昨年来のサンマの不漁も気になる。
北海道沖の水温が上がり、冷水を好むサンマが近寄らなくなったのが一因という。

異常な自然現象に人間の生活がどんな影響を及ぼしているかはわからない。
もしも、文明の恩恵に浸りきって地球の摂理を崩してしまっているなら、猛省せねばなるまい。
ダイコンやサンマのうまさを思うまま楽しめぬ未来の秋は味気ない。

[192/300文字]
秋の深まりを思わせ、季節がゆっくりと移ろうのを感じる。
夜長に時期ならではの味に触れる楽しみがある。
しかし、ダイコンは相次ぐ台風や日照不足の被害を受け、サンマは北海道沖の水温が上がり昨年来不漁が続く。

異常な自然現象に人間の生活がどんな影響を及ぼしているかはわからない。
もしも、文明の恩恵に浸りきって地球の摂理を崩してしまっているなら、猛省せねばなるまい。
ダイコンやサンマのうまさを楽しめぬ未来の秋は味気ない。