[春秋要約170131]人は野球に指導者像や組織と個人の問題も探る。今年はどんな教訓を授けてくれるか。<39文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/1/31付

先週末、東京の上野公園で1本のカンザクラを見た。無数の花びらが冷たい風に揺れている。周りの木々は葉をすっかり落として、真っ青な空を背景に寒さに耐えているふうだ。そんななかで、ソメイヨシノのあでやかさはないが、気品に満ち、どこか誇らしげである。
▼思わずカメラを向けたくなるこの木の姿に、昨年末の本紙運動面の連載「引退模様」を思い出した。走塁の達人としてならした元プロ野球巨人の鈴木尚広(たかひろ)さんが登場している。福島の高校から1997年、ドラフト4位で巨人入り、6年目に1軍へ上がって代打、代走、守備固めで定着。やがて「代走の専門家」となった。
本塁を狙う際には、待機する次打者が球を追う視線まで参考にしたと話す。若いころは「チームのなかでどう動き、必要とされる人になるか」を模索したという。たった数秒の盗塁のため、試合7時間前から球場に来て、いつとも知れぬ出番に備え調整に努めた。83%の盗塁成功率は歴代1位で、まさに「走りの職人」だ。
▼あすから各球団がキャンプインし球春が訪れる。「神ってる」派手なプレーはむろん魅力的だが、一方で、ひたむきに勝利への貢献をめざすいぶし銀の技にも、孤高の心を秘めたかのようなカンザクラに似た存在感がある人は野球に指導者像や組織と個人の問題も探ってきた。今年はどんな教訓を授けてくれるだろうか。

要約

[291/300文字]
カンザクラにソメイヨシノのあでやかさはないが、気品に満ち、どこか誇らしげである。

この木の姿に、走塁の達人としてならした元プロ野球巨人の「代走の専門家」鈴木尚広さんを思い出した。

本塁を狙う際には、次打者の視線まで参考にしたと話す。
若いころは「チームのなかでどう動き、必要とされる人になるか」を模索したという。
試合7時間前から球場に来て、いつとも知れぬ数秒の盗塁に備え調整に努めた。
盗塁成功率83%は歴代1位の「走りの職人」だ。

あすから各球団がキャンプインし球春が訪れる。
派手なプレーは魅力的だが、いぶし銀の技にもカンザクラに似た存在感がある。
人は野球に指導者像や組織と個人の問題も探ってきた。
今年はどんな教訓を授けてくれるだろうか。

[195/200文字]
元プロ野球巨人の鈴木尚広さんは盗塁成功率83%で歴代1位の「走りの職人」。
本塁を狙う際、次打者の視線まで参考にしたと話す。
「チームのなかでどう動き、必要とされる人になるか」を模索したという。
試合7時間前から球場に来て、数秒の盗塁に備え調整に努めた。

あすから各球団がキャンプイン。
派手なプレーは魅力的だが、いぶし銀の技にも存在感がある。
人は野球に指導者像や組織と個人の問題も探ってきた。
今年はどんな教訓を授けてくれるだろうか。