[春秋要約170125]19年ぶりに日本人横綱が誕生。力士=チカラビトの一人としての稀勢の里を祝いたい。<39文字> #sjdis #sjyouyaku

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

2017/1/25付

外国出身の力士、とりわけモンゴルから人材を受け入れるようになって以降の相撲界は、ウィンブルドン現象と皮肉られたりもする。テニスのウィンブルドン大会で地元の英国勢が振るわず外国選手が活躍するさまを表す言い回しだ。そこへ満を持しての吉報である。
▼あと一歩で届かない賜杯。心が弱い、との酷評。ようやく決めた優勝の後のひと筋の涙。稀勢の里の満面の笑みを見ればこちらも自然とうれしくなる。日本出身の横綱誕生は19年ぶりとあって祝福ムードは盛り上がるが、いまや角界の屋台骨を支えているのは言葉や文化の壁を越えて、遠く草原の国から来た元少年たちだ
▼インタビューを受け、たどたどしさの残る日本語で相撲の心を語るモンゴル人力士たちの姿には感動すら覚える。相撲通で知られた作家、宮本徳蔵は著書「力士漂泊」で、力士=チカラビトはアジアの北辺、いまのモンゴルのあたりで生まれたと論じる。そうであれば現在の相撲界の状況にも不思議はないのかもしれない。
▼チカラビトの系譜に連なる男たちが東から西から集い来て、同じまわしを締め土俵でぶつかり合う。ここに至る悠久の時を思えば、大相撲の取り組みが壮大な絵巻のように思えてくる宮本は同書でこうも記している。「相撲が国技だなんて、小さい、小さい」。チカラビトの一人としての稀勢の里の横綱昇進を祝いたい

要約

[292/300文字]
外国選手が活躍する相撲界は、ウィンブルドン現象と皮肉られたりもする。
そこへ満を持しての吉報である。

稀勢の里がようやく優勝を決めた。
日本出身の横綱誕生は19年ぶりだが、いまや角界の屋台骨を支えているのは遠く草原の国から来た元少年たちだ。

インタビューを受け、たどたどしさの残る日本語で相撲の心を語るモンゴル人力士たちの姿には感動すら覚える。
力士=チカラビトはアジアの北辺、いまのモンゴルのあたりで生まれたという。

チカラビトの系譜に連なる男たちが集い来て、同じまわしを締め土俵でぶつかり合う。
ここに至る悠久の時を思えば、大相撲の取り組みが壮大な絵巻のように思えてくる。
チカラビトの一人としての稀勢の里の横綱昇進を祝いたい。

[185/200文字]
外国選手が活躍する相撲界は、ウィンブルドン現象と皮肉られたりもする。
そこへ稀勢の里がようやく優勝を決めた。
日本出身の横綱誕生は19年ぶり。
いまや角界の屋台骨を支えているのは遠く草原の国から来た元少年たちだ。

力士=チカラビトはいまのモンゴルのあたりで生まれたという。

ここに至る悠久の時を思えば、大相撲の取り組みが壮大な絵巻のように思える。
チカラビトの一人としての稀勢の里の横綱昇進を祝いたい。