2017/3/3付
「男どもが天下国家を論じて武器などを担いであちらこちら走り回っている間も、女たちは着実にエレガントに次の世代を用意してきた」。作家の池澤夏樹氏がそう書いている。人類が女性だけになれば、世の中からもう少し争いごとが減るのでは、と思わなくもない。
▼勇ましい女性がいなかったわけではない。巴御前やジャンヌ・ダルクは自ら戦場に立った。とはいえ、それは例外だから歴史に刻まれたのだ。多くの女性は銃後にあって、戦地の夫や息子の無事を祈ってきた。男性優位の時代と戦争の世紀はかなり重なる。男女同権を推進することは、世界を平和に導く一歩となるはずだ。
▼きょうはひな祭りである。男の子の節句は祝日なのに、女の子の節句が普通の日なのはどうなのか。たいていの女性はそう思った経験があろう。子ども時代の刷り込みは、社会の深層心理に大きな影響を与える。女性の地位を高めていくには、こどもの日を3月と5月でときどき入れ替えてみるのも、一案ではなかろうか。
▼政党が擁立する候補者の男女比を「均等」にするように促す法律が間もなく制定される。義務付けにしろ、「同数」と明記しろ、などの批判はあるが、まずは踏み出すことが重要だ。米国の女権運動家アリス・ポールは参政権を得たあと、力説している。「ここで満足してはいけない。私たちはもっと遠くまで行ける」と。
要約
[297/300文字]
人類が女性だけになれば、世の中から争いごとが減るのでは、と思わなくもない。
多くの女性は戦地の夫や息子の無事を祈ってきた。
男性優位の時代と戦争の世紀はかなり重なる。
男女同権を推進することは、世界を平和に導く一歩となるはずだ。
きょうはひな祭りである。
男の子の節句は祝日なのに、女の子の節句が普通の日なのはどうなのか。
子ども時代の刷り込みは、社会の深層心理に大きな影響を与える。
政党が擁立する候補者の男女比を「均等」にするように促す法律が間もなく制定される。
「同数」と明記しろ、などの批判はあるが、まずは踏み出すことが重要だ。
米国の女権運動家アリス・ポールは参政権を得たあと、力説している。
「ここで満足してはいけない。私たちはもっと遠くまで行ける」と。
[186/200文字]
男女同権の推進は、世の中の争いごとを減らし世界を平和に導く一歩となるはずだ。
きょうはひな祭りだが、女の子の節句が祝日でないはどうなのか。
子ども時代の刷り込みは、社会の深層心理に大きな影響を与える。
政党が擁立する候補者の男女比を「均等」にするように促す法律が間もなく制定される。
米国の女権運動家アリス・ポールは参政権を得たあと、力説している。
「ここで満足してはいけない。私たちはもっと遠くまで行ける」と。