[春秋要約161007]絶滅が心配されるウナギの取引実態が解明されないと、かば焼きが味わえなくなる。<38文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/10/7付

長寿を願い子どもにつけた名がもとで騒動が起きる落語の「寿(じゅ)限無(げむ)」。その長い長い名前の中の「海砂(かいじゃ)利(り)水魚(すいぎょ)」は、海の砂利や魚は取り尽くせないほど数が多いという意味だ。だが砂利はともかく、魚についてはむしろ取り尽くしの不安を感じることが多い昨今である。
▼絶滅が心配される魚の代表格はウナギであろう。先日まで南アフリカで開かれていた国際会議で、世界各国の取引の実態を調査する方針が決まった。もちろん最大の消費国である日本には取り組みを先導する責任があるわけだが、これが簡単ではない。日本のウナギ取引は以前から、その不透明さが問題視されているのだ。
▼ナマコの「黒いダイヤ」に対し、ウナギの稚魚のシラスは「白いダイヤ」。ともに密漁で大きな利益が上がることからこう呼ばれる。香港経由の密輸ルートの存在も指摘され、背後で闇の勢力がうごめいているという。「謎に包まれていたウナギの一生より、取引の実態の方が解明されていない」という笑えない話もある。
▼同じく落語の「素人鰻」では、両手からぬるぬる逃げ出すウナギをつかもうと店主が前へ前へと歩き出す。行き先を問われ、「ウナギに聞いてくれ」でサゲとなる。さて現実のウナギの行く先はいずこであろうか。流通経路さえあいまいな状態では、かば焼きを落語でしか味わえない世界へたどり着くことになりかねない。

要約

[299/300文字]
絶滅が心配されるウナギの取引実態を調査する方針が決まった。
最大消費国の日本には取り組みを先導する責任があるが簡単ではない。
日本のウナギ取引は以前から不透明さが問題視されているのだ。

密漁で大きな利益が上がることから、ウナギの稚魚は「白いダイヤ」呼ばれる。
密輸ルートの存在も指摘され、背後で闇の勢力がうごめいているという。
「謎に包まれていたウナギの一生より、取引の実態の方が解明されていない」という笑えない話もある。

落語の「素人鰻」ではウナギをつかもうと店主が前へ前へと歩き出す。
行き先を問われ、「ウナギに聞いてくれ」でサゲとなる。
さて現実のウナギの行く先は。
流通経路さえあいまいな状態では、かば焼きを味わえない世界へたどり着くことになりかねない。

[196/200文字]
絶滅が心配されるウナギの稚魚は密漁で大きな利益が上がることから「白いダイヤ」呼ばれ、密輸ルートの存在も指摘されている。
「ウナギの一生より、取引の実態の方が解明されていない」という笑えない話もある。

落語の「素人鰻」ではウナギをつかもうと店主が前へ前へと歩き出す。
行き先を問われ、「ウナギに聞いてくれ」でサゲとなる。
さて現実のウナギの行く先は。
流通経路さえあいまいな状態では、かば焼きを味わえない世界へたどり着くことになりかねない。