[春秋要約170413]東芝が2度延期していた決算を監査法人の意見を欠く形で公表。これからが正念場だ。<39文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/4/13付

265年続いた江戸幕府が終わったのは、薩長同盟が成ったからだといってもいい。宿敵だった薩摩、長州両藩の重臣が京の地で政治、軍事密約を結ぶ。それでも薩摩を信用しきれない長州の桂小五郎は同盟を仲介した坂本龍馬に密約の内容を書き送り、確認を求めた
龍馬がこれに応じ、裏に朱書きして送り返した書状がいまも残る。雄藩同士の密約に間違いのないことを、一介の浪人が保証するとは。龍馬の計り知れないスケールの大きさを物語るエピソードである。一方こちらでは、創業142年という名門企業が経営状況について裏書きをしてもらえず、崖っぷちに立たされている
東芝がおととい、2度にわたって延期した2016年4~12月期の決算を公表した。だがその中身についてお墨付きを求められた監査法人はこれを拒み、東芝の決算は「適正」という監査意見を欠く異例の形となってしまったのだ。米子会社の評価をめぐる両者の溝は深く、裏書きどころか三くだり半さえ出てきかねない
▼「光る光る東芝、回る回る東芝」。高度成長期に育った人なら、このCMソングを口ずさめるはずだ。身近な家電をつくり続けたなじみの深い企業の凋落(ちょうらく)ぶりを見ると、昭和の子どもの一人として悲しくなる東芝はまだ、裏書きのない決算でなんとか目の前のハードルを1つ越えたにすぎない。これから正念場を迎える

要約

[299/300文字]
薩長同盟の密約を結ぶ際、薩摩を信用しきれない長州の桂小五郎は同盟を仲介した坂本龍馬に密約の内容を書き送り、確認を求めた。

龍馬がこれに応じ、裏に朱書きして送り返した書状がいまも残る。
一方創業142年の名門企業が経営状況について裏書きをしてもらえず、崖っぷちに立たされている。

東芝が2度延期していた決算を公表した。
だが、監査法人がお墨付きをを拒み、「適正」という監査意見を欠く異例の形となった。
米子会社の評価をめぐる両者の溝は深く、裏書きどころか三くだり半さえ出てきかねない。

身近な家電をつくり続けたなじみの深い企業の凋落ぶりを見ると悲しくなる。
東芝は裏書きのない決算でなんとか目の前のハードルを1つ越えたにすぎない。
これから正念場を迎える。

[183/200文字]
東芝が2度延期していた決算を公表した。
だが、監査法人がお墨付きをを拒み、「適正」という監査意見を欠く異例の形となった。
米子会社の評価をめぐる両者の溝は深く、裏書きどころか三くだり半さえ出てきかねず崖っぷちに立たされている。

身近な家電をつくり続けたなじみの深い企業の凋落ぶりを見ると悲しくなる。
東芝は裏書きのない決算でなんとか目の前のハードルを1つ越えたにすぎない。
これから正念場を迎える。