[春秋要約170704]藤井四段と異なり、内容の悪い東京都議選の歴史的惨敗を自民党は謙虚に糧にできるか。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/7/4付

「負けました」。おとといの夜、公式戦30連勝に挑んでいた将棋の藤井聡太四段は投了を告げ、がくりと肩を落とした。午後9時31分。いまや国民的スターとなった14歳の天才が敗北を喫した瞬間である。その苦い味は少年の身と心に、容赦なく染み入ったに違いない。
▼東京都議選で自民党の歴史的惨敗が浮かび上がってきたのも、同じ日の夜更けだった。よほどショックが大きかったのか、安倍首相からは「負けました」の宣言もないままだった。一夜明けて「わが党への叱咤(しった)と受け止め、深く反省しなければならない」と述べたが、わずか23議席という結果は叱咤と呼ぶには強烈すぎる
▼コワモテ一方の政権運営。「加計学園」問題で見せた不遜なふるまい。二階幹事長は新聞をやり玉に挙げて「私らを落とすなら落としてみろ」と毒づいた。投票日前日には、街頭で「帰れ」コールを浴びた首相が「こんな人たちに負けるわけにいかない」といきり立つ少なからぬ有権者が、もう愛想を尽かしたのである。
▼新たな夢をひらく藤井四段の負けと違い、おごりと慢心が招いたこの大敗は誰が見ても内容が悪い。往年の大棋士、升田幸三いわく「難局はこれ良師なり負けることはありがたい」。かように謙虚につつましく、こんどの負けを糧にできるのかどうか。まさか、地方選でいいガス抜きができた……などとは考えていまい。

要約

[298/300文字]
おとといの夜、公式戦30連勝に挑んでいた藤井聡太四段は投了を告げ、肩を落とした。
その苦い味は少年の身と心に、容赦なく染み入ったに違いない。

東京都議選で自民党の歴史的惨敗。
わずか23議席という結果は叱咤と呼ぶには強烈すぎる。

コワモテ一方の政権運営。
「加計学園」問題で見せた不遜なふるまい。
二階幹事長は新聞をやり玉に挙げて「私らを落とすなら落としてみろ」と毒づいた。
投票日前日には、首相が街頭で「帰れ」コールを浴びた。
少なからぬ有権者が、もう愛想を尽かしたのである。

新たな夢をひらく藤井四段の負けと違い、おごりと慢心が招いたこの大敗は誰が見ても内容が悪い。
「難局はこれ良師なり。負けることはありがたい」と、謙虚につつましく、こんどの負けを糧にできるのかどうか。

[191/200文字]
おとといの夜、公式戦30連勝に挑んでいた藤井聡太四段は投了を告げ、肩を落とした。
その苦い味は少年の身と心に、容赦なく染み入ったに違いない。

東京都議選で自民党の歴史的惨敗。
わずか23議席という結果は叱咤と呼ぶには強烈すぎる。

コワモテ一方の政権運営。
「加計学園」問題。
少なからぬ有権者が、もう愛想を尽かしたのである。

おごりと慢心が招いたこの大敗は誰が見ても内容が悪い。
謙虚につつましく、こんどの負けを糧にできるのかどうか。