[春秋要約161024]道具の発明で効率優先になったが、機心に振り回されないよう気をつけないといけない。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

2016/10/24付

「なんと時代遅れな!」。孔子の愛弟子(まなでし)、子貢は驚いた。老人が井戸の中に入り甕で水をくんでいる。水を取り畑にまくなら、はね釣瓶(つるべ)という機械がある。声をかけたところ、知ってはいても使わないのだという。理由を聞き衝撃を受ける。「荘子」にある説話である。
▼老人は答えた。使いだすと、必ず機械に頼る仕事が増える。増えると、頼る心「機心」が生じ、とらわれる。「振り回されるのはいやだ。邪魔してくれるな」と、子貢は追い払われた。効率優先を説く先生の教えが揺らぐ気がしたそうだ。道具の発明以来、機心は広がり続ける。いまの社会は、機械なしでは立ちゆかない。
▼将棋のトップ棋士もとらわれたのか。対局中に電算ソフトを使った疑惑が浮上し、タイトル戦に混乱が起きている。アマチュアが集うオンライン対局サイトでは、機械が選ぶ一手を不正に使用する「ソフト指し」が横行する。将棋や囲碁は、脳力を競う伝統競技だが、この世界にも、機械に頼る心が浸透しつつあるようだ。
▼チェスでは早くからソフトが普及している。人間と機械のチーム同士の大会もできたが、人気がないという(米経済学者コーエン著「大格差」)。機械が幅をきかせすぎ、人間的興味が持てないからだろう。古代の老人みたいにはいかないが、機心に振り回されないよう気をつけないと、ゲームがますますつまらなくなる。

要約

[299/300文字]
老人がはね釣瓶を使わず甕で水をくんでいる。
使いだすと、機械に頼る仕事が増える。
頼る心「機心」が生じ、とらわれる。
孔子の愛弟子、子貢は衝撃を受ける。
効率優先を説く教えが揺らぐ気がした。
「荘子」にある説話である。

道具の発明以来、機心は広がり機械なしでは立ちゆかない。

将棋のタイトル戦でも、電算ソフトを使った疑惑が浮上し混乱が起きている
アマチュアが集うオンライン対局サイトでは、「ソフト指し」が横行する。
将棋や囲碁の世界にも、機械に頼る心が浸透しつつあるようだ。

チェスでは早くからソフトが普及し、人間と機械のチーム同士の大会もできた。
しかし、機械が幅をきかせ興味が持てないからか人気がないという。
機心に振り回されないよう気をつけないと、ゲームがつまらなくなる。

[193/200文字]
老人がはね釣瓶を使わず甕で水をくんでいる。
使いだすと、機械に頼る仕事が増える。
頼る心「機心」が生じ、とらわれる。
子貢は効率優先を説く教えが揺らぐ気がし、衝撃を受ける。
「荘子」にある説話である。

道具の発明以来、機心は広がり機械なしでは立ちゆかない。

将棋や囲碁の世界にも、機械に頼る心が浸透している。
チェスは人間と機械のチーム同士の大会もできたが、人気はないという。
機心に振り回されないよう気をつけないと、ゲームがつまらなくなる。