[春秋要約161028]戦争と平和を繰り返す人間の営みを、歴史家として見つめ続けた三笠宮崇仁さまが逝去。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/10/28付

「言葉が通じなくても、踊りで心と心が通じ合えば、こんな愉快なことはないと思う」。百歳で逝去した三笠宮崇仁さまは、なにより人情味を大切にした。気さくで、いろんな集まりに顔を出した。フォークダンスなど多彩な趣味も「一緒に楽しむこと」が第一だった
▼作家林房雄が浪花節を歌う宮様に驚いた、と本紙に書いている。戦後、文士の宴会に徹夜で付き合い、照れたように言われたという。「好きですよ。軍人だったのですから」。陸軍で教育を受け、参謀として中国戦線に赴任した。戦場では、「正義のいくさ」が人情味を裏切り踏みにじっていた。その光景に愕然(がくぜん)とする
皇族は何をすべきか、戦後、悩んだ末に学問を選ぶ。人間の愚かさや情熱はどこから来るのか。根本が知りたい。そう考え、歴史を学び直す教壇にも立ち、多くの学生にこう伝えた。何千年も前からの発展の歴史を調べもせずに、いきなり、社会を立て直そうとしても、逆に、とんでもない結果に陥ることが少なくない。
戦争は人情味を奪う。「何としても、平和を長く保てるよう、最大の努力を尽くしたい」。学問に飽きたらず、皇籍を離れてでも社会事業をしたいと思い詰めたこともあった。やがて使命を自覚する。学びの先には「未来を探るヒントがある」。戦争と平和を繰り返す人間の営みを、歴史家として見つめ続けた生涯だった。

要約

[284/300文字]
百歳で逝去した三笠宮崇仁さまは、なにより人情味を大切にした。
気さくで、いろんな集まりに顔を出した。
多彩な趣味も「一緒に楽しむこと」が第一だった。

陸軍で教育を受け、参謀として中国戦線に赴任した。
戦場では、「正義のいくさ」が人情味を裏切り、踏みにじっていた。
その光景に愕然とする。

皇族は何をすべきか、戦後、悩んだ末に学問を選ぶ。
人間の愚かさや情熱はどこから来るのか。
根本が知りたい。
そう考え、歴史を学び直す。
教壇にも立ち、多くの学生に伝えた。

戦争は人情味を奪う。
社会事業をしたいと思い詰めたこともあった。
やがて使命を自覚する。
学びの先には「未来を探るヒントがある」。
戦争と平和を繰り返す人間の営みを、歴史家として見つめ続けた生涯だった。

[200/200文字]
百歳で逝去した三笠宮崇仁さまは、人情味を大切にし、気さくで、多彩な趣味も「一緒に楽しむこと」が第一だった。

参謀として赴任した中国戦線では「正義のいくさ」が人情味を裏切り踏みにじる光景に愕然とする。

人間の愚かさや情熱はどこから来るのか。
根本が知りたい。
そう考え、歴史を学び直す。
教壇にも立ち、多くの学生に伝えた。

やがて使命を自覚する。
学びの先には「未来を探るヒントがある」。
戦争と平和を繰り返す人間の営みを、歴史家として見つめ続けた生涯だった。