[春秋要約170404]経営破綻した「てるみくらぶ」の客は旅を台無しにされ返金も厳しい。罪深い話である。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/4/4付

たった7万円でヨーロッパ旅行に行ける――。1981年に放映された山田太一さん脚本のドラマ「想い出づくり。」は、ツアー会社のこんな誘いに応じた3人の女性が主人公だった1ドルは200円台前半、いまと比べれば海外はまだ少し遠くあこがれも強かった
▼ところが会社は倒産し、払ったお金は戻ってこない3人は結束して勧誘員の青年をとっちめる……というように物語は進んだ。夢を裏切られた怒りが女性たちを結びつけたのだ。さてそれから36年。日本人の海外旅行事情はずいぶん変わったが、こんどの「てるみくらぶ」の経営破綻は往年のドラマの再現を見るようだ
▼余った航空座席を安く仕入れてインターネットで売るのが事業モデルだったという。しかし機体の小型化で空席は減る訪日外国人が増えて飛行機にさらに空きが少なくなる。そんなこんなで行き詰まったらしい。代金を支払い済みの客は8万人を超え、現地で宿泊を拒まれたケースも出ている。返金の道は厳しいようだ。
社長は記者会見で涙ぐんでいたが、泣きたいのは旅を台無しにされた客のほうである海外旅行がいくら身近になったとはいえ、多くの人にとっては何年かに一度の「想い出づくり」の機会だっただろう。家族連れやカップル、シニア。それぞれにやり繰りして払った費用の貴重さにも今昔の違いはない。罪深い話である。

要約

[286/300文字]
経営破綻した「てるみくらぶ」は余った航空座席を安く仕入れてインターネットで売るのが事業モデルだったという。しかし機体の小型化で空席は減る。訪日外国人が増えて飛行機にさらに空きが少なくなる。そんなこんなで行き詰まったらしい。代金を支払い済みの客は8万人を超え、現地で宿泊を拒まれたケースも出ている。返金の道は厳しいようだ。

社長は記者会見で涙ぐんでいたが、泣きたいのは旅を台無しにされた客のほうである。海外旅行がいくら身近になったとはいえ、多くの人にとっては何年かに一度の「想い出づくり」の機会だっただろう。家族連れやカップル、シニア。それぞれにやり繰りして払った費用の貴重さにも今昔の違いはない。罪深い話である。

[194/200文字]
経営破綻した「てるみくらぶ」に代金を支払い済みの客は8万人を超え、現地で宿泊を拒まれたケースも出ている。
返金の道は厳しいようだ。

社長は記者会見で涙ぐんでいたが、泣きたいのは旅を台無しにされた客のほうである。
海外旅行がいくら身近になったとはいえ、多くの人にとっては何年かに一度の「想い出づくり」の機会だっただろう。
家族連れやカップル、シニア。
それぞれにやり繰りして払った費用の貴重さにも今昔の違いはない。
罪深い話である。