[春秋要約160919]新世代の作り手の「災後」映画、「君の名は。」「ゴジラ」には重い問いかけがある。<39文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/9/19付
「君の名は。」――現在ヒットしているアニメ映画の題名だ。往年の名作ラジオドラマと混同しそうだが、末尾のマルで区別するらしい。舞台も現代であり、全く別の。しかし共通点が2つある。男女のすれ違いを描くことと、物語の背景に大きな災厄があることだ。
ラジオドラマ「君の名は」では、東京大空襲と戦後の混乱主役2人の運命を大きく変えていく放送開始は終戦からわずか7年後空襲もその後の混乱も、まだ同時代の体験だった。翻弄される2人の姿には、作り事のメロドラマを超えたリアリティーがあった。人気を博した裏側には、そんな共感も働いたことだろう。
現代の「君の名は。」はスマートフォンを操る若者たちの話だ。前半は甘酸っぱい恋愛話かと思わせ後半ぐっと色彩を変える。内容の詳細にはふれないが、やはり東日本大震災を経て生まれた作品だと感じる。都会の人間は、遠い地方の災害を見せ物として楽しんではいまいか。そんな問題提起、見る人たちの心に迫る
今年はゴジラ映画の最新作も議論を呼んだ第1作終戦から9年後、空襲や水爆実験を背景作られた最新作東日本大震災や原発事故を大怪獣と重ねて描き大人の客も呼ぶ。ドラマなどの娯楽作品だからこそ表現できる心の震えがある。震災から5年半、新世代の作り手が練り上げた「災後」映画の問いかけは重い

要約

[285/300文字]
「君の名は。」――現在のアニメ映画と往年のラジオドラマには、物語の背景に大きな災厄があるという共通点がある。

ラジオドラマ「君の名は」では、東京大空襲と戦後の混乱が主役の運命を変えていく。
現代の「君の名は。」はやはり東日本大震災を経て生まれた作品だと感じる。
都会の人間は、遠い地方の災害を見せ物として楽しんではいまいか。
そんな問題提起も、見る人たちの心に迫る。

ゴジラ映画も第1作は終戦から9年後、空襲や水爆実験を背景に作られた。
最新作は東日本大震災や原発事故を大怪獣と重ねて描き大人の客も呼ぶ。
ドラマなどの娯楽作品だからこそ表現できる心の震えがある。
震災から5年半、新世代の作り手が練り上げた「災後」映画の問いかけは重い。

[189/200文字]
「君の名は。」――現在のアニメ映画と往年のラジオドラマには、物語の背景に大きな災厄があるという共通点がある。

ラジオドラマ「君の名は」では、東京大空襲と戦後の混乱が主役の運命を変えていく。
現代の「君の名は。」はやはり東日本大震災を経て生まれた作品だと感じる。

ゴジラ映画も第1作は終戦から9年後、空襲や水爆実験を背景に作られた。
最新作は東日本大震災や原発事故を大怪獣と重ねて描く。

新世代の作り手が練り上げた「災後」映画の問いかけは重い。