2017/4/26付
東京・竹橋の国立公文書館での特別展「誕生 日本国憲法」をのぞいた。施行から70年の節目に、館に所蔵される数多くの貴重な資料などで、草案から憲法が生まれるまでを丁寧に振り返っている。展示のクライマックスは、昭和天皇が署名して御璽が押された原本だ。
▼天皇による冒頭文「上諭」や首相らの副署がある部分は、朱のケイ線が入った上質そうな紙だ。教科書の写真でみたこともあろう。だが肝心の条文の方は、パネルなどでみる限り、かなり質素な紙のようだ。字の擦れやにじみも所々に残る。物資の不足を反映したものか。まさにゼロからのスタートを象徴しているようだ。
▼占領下、強い圧力で草案作りを迫られた経緯もあり、史家の評価はわかれる。しかし、多くの先人は、この新たな根本法を歓迎した。平和と繁栄の礎として長く命脈を保った事実は揺るがない。成立への多大な困難に触れると、いま国を悩ます少子高齢化の問題など、英知を集め心血を注げば解決できそうにも思えてくる。
▼軍事に偏った日本が大戦に敗れ、主権在民と平和主義をうたう憲法を制定した記録は世界史の貴重な資料である。将来、地球上のどこかで起きる同種の事態で参照されることがあるかもしれない。折しも、近隣には弾道ミサイルや核を用いた挑発をやめない国がある。指導者に今回の展示を見た感想を聞いてみたいものだ。
要約
[295/300文字]
施行から70年の節目に、国立公文書館での「誕生 日本国憲法」展では貴重な資料などで、草案から憲法が生まれるまでを丁寧に振り返っている。
占領下、強い圧力で草案作りを迫られた経緯もあり、史家の評価はわかれる。
しかし、多くの先人は、この新たな根本法を歓迎した。
平和と繁栄の礎として長く命脈を保った事実は揺るがない。
成立への多大な困難に触れると、いま国を悩ます少子高齢化の問題など、英知を集め心血を注げば解決できそうにも思えてくる。
軍事に偏った日本が大戦に敗れ、主権在民と平和主義をうたう憲法を制定した記録は世界史の貴重な資料である。
近隣には弾道ミサイルや核を用いた挑発をやめない国がある。
指導者に今回の展示を見た感想を聞いてみたいものだ。
[195/200文字]
施行から70年の節目に、「誕生 日本国憲法」展では草案から憲法が生まれるまでを丁寧に振り返っている。
占領下、強い圧力で草案作りを迫られた経緯もあり史家の評価はわかれるが、平和と繁栄の礎として長く命脈を保った事実は揺るがない。
軍事に偏った日本が大戦に敗れ、主権在民と平和主義をうたう憲法を制定した記録は世界史の貴重な資料である。
近隣には弾道ミサイルや核を用いた挑発をやめない国の指導者に展示を見た感想を聞いてみたい。