[春秋要約161009]都知事が豊洲問題の責任を明確にし、消費者が「豊洲直送!」を受け入れる日はいつか。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

2016/10/9付

東京帝大助教授だった政治学者の丸山真男は1945年4月、2度目の兵役で広島の陸軍船舶司令部に配属された。31歳。国際情報の収集が仕事である。8月6日、朝礼中に突然、目もくらむ閃光(せんこう)が空を走り、きのこ雲が立ち上るのを見た。爆心地から約4キロの場所だ。
▼司令部に逃れて来た被災者の姿に肝を潰し、3日後の9日には爆心地付近を巡って被害の実態に接している。しかし「自分は傍観者」として、終生、被爆者手帳の申請はしなかった。戦後、その透徹した観察眼と分析手法で戦前の軍部による支配を「無責任の体系」と呼んだ。目の当たりにしたその末路への怒りもこもる
小池百合子都知事が豊洲の盛り土問題で歴代の中央卸売市場長の仕事ぶりを「無責任体制」と断じ2週間余。依然、いつ、誰の、どんな判断で地下空間ができたのかが不明で「空気の中で進んでいった」としかわからぬ状態が続く知事は「歴代の市場長は退職者も含め責任を明確にする」と、ケジメをつけるのに躍起だ
丸山は東京裁判の被告らが自己の権限をわい小化し、責任をなすり合う姿に無責任の実態を見た。さて「監察の観点からヒアリングする」と息巻く小池知事による「東京裁判」はどうなるだろう。ことは6000億円近い予算を要した巨大事業だ。「築地直送!」に代わり「豊洲直送!」を消費者が受け入れる日はいつか

要約

[298/300文字]
政治学者の丸山真男は広島の爆心地から約4キロの場所で被爆。
3日後には爆心地付近を巡って被害の実態に接している。
戦前の軍部による支配を「無責任の体系」と呼び、その末路への怒りもこもる。
丸山は東京裁判の被告らが責任をなすり合う姿に無責任の実態も見た。

小池百合子都知事が豊洲の盛り土問題で歴代の中央卸売市場長の仕事ぶりを「無責任体制」と断じ2週間余。
依然、地下空間ができた理由は不明。
知事は「歴代の市場長は退職者も含め責任を明確にする」と、ケジメをつけるのに躍起だ。

さて「監察の観点からヒアリングする」と息巻く小池知事による6000億円近い予算を要した巨大事業の「東京裁判」はどうなるだろう。
「築地直送!」に代わり「豊洲直送!」を消費者が受け入れる日はいつか。

[184/200文字]
政治学者の丸山真男は戦前の軍部による支配を「無責任の体系」と呼び、東京裁判の被告らが責任をなすり合う姿に無責任の実態も見た。

小池百合子都知事が豊洲問題で歴代の市場長の仕事ぶりを「無責任体制」と断じ2週間余。
知事は、監察の観点からヒアリングし歴代の市場長は退職者も含め責任を明確にすると言う。
6000億円近い予算を要した巨大事業の「東京裁判」はどうなるだろう。
「豊洲直送!」を消費者が受け入れる日はいつか。