[春秋要約170730]大人の時代へと脱皮するはずが、子供のまま力をつけた国々が時計の針が逆回転させる。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/7/30付

東アジアにある自国の基地から太平洋を越え直接、米国を攻撃したい。そう考えた科学者らが選んだ道具は風船だった時は第2次大戦末場所は川崎市の陸軍登戸研究所。跡地を取得した明治大学が当時の建物を転用し資料館を開設しており、誰でも記録をみられる
▼風船爆弾の名で知られるが、直径10メートルというから気球に近い。1万個を空に放って推定1000個が到達、子供ら6人の民間人の命を奪った。「飛び道具が人間に導かれず海を渡った」点で驚くべき兵器だったと米国側の軍人が後に振り返ったそうだ。資料館の説明も「大陸間弾道ミサイルなどのはしり」だと位置づける
▼同じ頃、やはり劣勢のドイツが逆転を狙い開発したのが英国を直接狙うV2ロケットだ。その技術は戦後米ソ両国の手にわたり、宇宙飛行や冷戦下の核軍拡競争に転用された。時は巡りいままた東アジアで、海の向こうまで届く槍(やり)を手に入れたと誇らしげな国が、もろもろの交渉事を有利に運べるぞと鼻息を荒くしている
20世紀の国際社会は、力こそ正義との発想や秘密主義など「あまりにも子供じみた考えにささえられていた」と作家の小松左京は語った。愚行の連鎖を断ち切り、理性と対話で物事が決まる大人の時代へと脱皮していくはずだった21世紀。子供のまま力をつけた国々の手で時計の針が逆回転させられていくさまは、悲しい。

要約

[284/300文字]
第2次大戦末の日本で開発された風船爆弾は「大陸間弾道ミサイルなどのはしり」だと位置づけられる。

また、同じ頃ドイツが開発したV2ロケットは、宇宙飛行や冷戦下の核軍拡競争に転用された。
時は巡りいままた東アジアで、海の向こうまで届く槍を手に入れたと誇らしげな国が、もろもろの交渉事を有利に運べるぞと鼻息を荒くしている。

20世紀の国際社会は、力こそ正義との発想や秘密主義など「あまりにも子供じみた考えにささえられていた」と作家の小松左京は語った。
愚行の連鎖を断ち切り、理性と対話で物事が決まる大人の時代へと脱皮していくはずだった21世紀。
子供のまま力をつけた国々の手で時計の針が逆回転させられていくさまは、悲しい。

[194/200文字]
第2次大戦末に開発された風船爆弾は「大陸間弾道ミサイルなどのはしり」だと位置づけられ、同じ頃ドイツが開発したV2ロケットは、宇宙飛行や冷戦下の核軍拡競争に転用された。
いままた海の向こうまで届く槍を手に入れたと誇らしげな国が鼻息を荒くしている。

愚行の連鎖を断ち切り、理性と対話で物事が決まる大人の時代へと脱皮していくはずだった21世紀。
子供のまま力をつけた国々の手で時計の針が逆回転させられていくさまは、悲しい。