[春秋要約160927]誰が米大統領にふさわしいか見分ける方法がわかればノーベル平和賞がもらえるだろう。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/9/27付

目のつけ所がいいらしい。10年連続で日本人が選ばれた笑いを誘う研究に贈るイグ・ノーベル賞だ。去年はキスの効用一昨年はバナナの皮の滑り具合の計測に、くすりとさせられた。今年は「股のぞき」効果の実証研究が受賞した。文字通り「視点」が対象である。
研究はよく知られた姿勢の効果を実験で確かめた。両足を広げる。上体を倒して、股のあいだから後ろを眺める。すると、風景の奥行きが薄れ、近くに感じる。同時に、遠くの山が縮んで見え、絵のようだと錯覚するそうだ。これを錯覚だとわきまえて見れば、逆に、これまで以上に山の大きさを実感できるかもしれない。
▼芥川龍之介の「河童(かっぱ)」にこんな場面がある学生がいきなり「股目金(めがね)」(股のぞき)で道を通る車や人を眺めだす。驚いた主人公が理由を問うと、学生は冷静に答える。「あまり憂鬱ですから、逆さまに世の中を眺めて見たのです。けれどもやはり同じことですね」。風景とは異なり、社会の構図は違って見えないらしい。
▼ヤマ場を迎えた米大統領選では米国民もお困りのようだ。かたや移民排斥など暴言を繰り返す。こなた健康不安が消えない。不人気同士で支持率も拮抗。股のぞきをしても、構図は変わらない誰が超大国のリーダーにふさわしいか見分ける画期的な姿勢が見つからないものか。きっと、本物のノーベル平和賞がもらえる

要約

[286/300文字]
笑いを誘う研究に贈るイグ・ノーベル賞に10年連続で日本人が選ばれた。
今年は「股のぞき」効果の実証研究が受賞した。文字通り「視点」が対象である。

芥川龍之介の「河童」にこんな場面がある。
学生がいきなり股のぞきで道を通る車や人を眺めだす。
理由を問うと、学生は答えた。
「あまり憂鬱ですから、逆さまに世の中を眺めて見たのです。けれどもやはり同じことですね」。風景とは異なり、社会の構図は違って見えないらしい。

ヤマ場を迎えた米大統領選では米国民もお困りのようだ。
不人気同士で支持率も拮抗。股のぞきをしても、構図は変わらない。
誰が超大国のリーダーにふさわしいか見分ける画期的な姿勢が見つからないものか。
きっと、本物のノーベル平和賞がもらえる。

[194/200文字]
笑いを誘う研究に贈るイグ・ノーベル賞に10年連続で日本人が選ばれた。
今年は「股のぞき」効果の実証研究が受賞。文字通り「視点」が対象だ。

芥川龍之介の「河童」に学生が股のぞきで道を通る車や人を眺める場面がある。
しかし、風景とは異なり社会の構図は違って見えないらしい。

ヤマ場を迎えた米大統領選は不人気同士で支持率も拮抗。
誰が超大国のリーダーにふさわしいか見分ける画期的な姿勢を見つければ、
きっと、本物のノーベル平和賞がもらえる。