2016/10/26付
銀行を襲った一味に対し、白バイの警官がひと言。「金塊を盗みだした犯人として退治する」。「退治じゃなくて逮捕だろう」といぶかる男を目がけショットガンが火を噴く――。この春亡くなった漫画家、望月三起也さんの代表作「ワイルド7」はこうして幕が開く。
▼逮捕も裁判もすっ飛ばし、麻薬犯罪者は現場で射殺して一件落着。望月さんの人気作品を地で行く超法規的警察活動の親分、フィリピンのドゥテルテ大統領が日本にやって来た。国連をののしり、オバマ米大統領をこき下ろし、中国では国家主席の横でガムをかんでいたと指摘されるなど、就任以来お騒がせの連続である。
▼そんな具合だから、きょう、明日と続く安倍首相、そして天皇陛下との会談からいっときも目が離せない。フィリピンと米国の関係修復や南シナ海の安全の確保といった懸案が様々にあるなか、話が横にそれて迷走してしまっては台無しだ。永田町や宮内庁、警察関係者には、なんとも言えない緊張感が漂っているという。
▼だが暴言に聞こえた発言の数々も、実はその時々の感情がないまぜになった強がりや駆け引きや言い訳の結果なのかもしれない。安倍首相にはとにかく、大統領の本心に耳を傾けてほしい。それでドゥテルテさんが、「オレの一番の心の友はシンゾーだ」と公言することになったら、安倍さんもちょっと困るだろうか……。
要約
[289/300文字]
逮捕も裁判もすっ飛ばし、麻薬犯罪者は現場で射殺。
フィリピンのドゥテルテ大統領が日本にやって来た。
国連をののしり、オバマ米大統領をこき下ろし、中国では国家主席の横でガムをかんでいたと指摘されるなど、就任以来お騒がせの連続である。
きょう、明日と続く安倍首相、そして天皇陛下との会談からいっときも目が離せない。
フィリピンと米国の関係修復や南シナ海の安全の確保といった懸案が様々にあるなか、話が横にそれて迷走してしまっては台無しだ。
永田町や宮内庁、警察関係者には、緊張感が漂っているという。
だが暴言に聞こえた発言の数々も、強がりや駆け引きや言い訳の結果なのかもしれない。
安倍首相にはとにかく、大統領の本心に耳を傾けてほしい。
[194/200文字]
フィリピンのドゥテルテ大統領が来日。
国連をののしり、オバマ米大統領をこき下ろし、中国では国家主席の横でガムをかんでいたと指摘されるなど、就任以来お騒がせの連続である。
安倍首相との会談では、フィリピンと米国の関係修復や南シナ海の安全の確保といった様々な懸案があるが、話が迷走しては台無しだ。
暴言に聞こえた発言も、強がりや駆け引きや言い訳の結果なのかもしれない。
安倍首相にはとにかく、大統領の本心に耳を傾けてほしい。