[春秋要約161107]政活費問題で辞職した富山市市議の補欠選挙が昨日行われたが、信頼回復はこれからだ。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/11/7付

30年前、相互銀行の乱脈融資が刑事事件になった。無理な貸し付けを通したり、金融当局の検査が入ったりするたび、契約書などの書類が偽造されていたという。不法な行いが銀行内にはびこっていたこと自体驚くが、信じられなかったのはあまりに安直なその手口だ。
▼不動産鑑定書にある評価額「6億円」の数字にちょっと加筆して「8億円」にする。土地の売買をごまかすため登記簿謄本を切り貼りしてコピーする――。改ざんのあれこれを、当時銀行の関係者から聞いた。だがこんな安直な偽造行為はいまもまかり通っている。それを分かりやすく教えてくれたのが富山市議会である。
▼政務活動費を受け取る裏付けとして、市議会議員らが提出していたのもニセ領収書のオンパレードだった。白紙や自作の領収書に金額を書き込み、本物の領収書の金額にひと桁分書き足す。昭和を思わせるお手軽な工作が発覚して市議12人が次々と辞職する事態となり、定員を埋める「大型」の補欠選挙がきのう行われた
▼冒頭の事件では逮捕者が相次ぎ、問題の相互銀行は大手都銀に吸収されて、なくなった。幸いなことに私企業ではない市議会は消滅はしないだろうが、失った信頼を取り戻す道は遠い。責任追及や再発防止の取り組みはここから始まることを忘れてはならない。よもや補選を市議会のみそぎなどと思ってはいないだろうが。

要約

[292/300文字]
30年前、相互銀行の乱脈融資が刑事事件になった。
無理な貸し付けを通したり、金融当局の検査が入ったりするたび、契約書などの書類が安直に改ざんされていたという。

富山市議会でも安直な偽造行為がまかり通っていた。
政務活動費を受け取る裏付けとして、市議会議員らが提出していたのもニセ領収書のオンパレードだった。
昭和を思わせるお手軽な工作が発覚して市議12人が次々と辞職する事態となり、定員を埋める「大型」の補欠選挙がきのう行われた。

冒頭の事件では逮捕者が相次ぎ、相互銀行は大手都銀に吸収された。
私企業ではない市議会は消滅はしなくとも、失った信頼を取り戻す道は遠い。
責任追及や再発防止の取り組みはここから始まることを忘れてはならない。

[195/200文字]
30年前の相互銀行乱脈融資事件と同様、富山市議会でも安直な偽造行為がまかり通っていた。
市議会議員らが提出していた昭和を思わせるお手軽な工作のニセ領収書が発覚。
市議12人が次々と辞職する事態となり、定員を埋める「大型」の補欠選挙がきのう行われた。

相互銀行は大手都銀に吸収されたが、私企業ではない市議会は消滅はしなくとも、失った信頼を取り戻す道は遠い。
責任追及や再発防止の取り組みはここから始まることを忘れてはならない。