2017/7/28付
ヒッピー風の若者2人が、ガス欠らしきクルマを押して田舎道をえっちらおっちら――。と書けば、シニア世代の方々はあのコマーシャルを思い浮かべよう。気楽に行こうよ おれたちは……。のどかな歌声が耳によみがえる、1971年の某石油会社のCMである。
▼高度成長のきしみが目立ちはじめ、モーレツからビューティフルへ、などと唱えられたころだった。そういう雰囲気を反映した傑作だが、締めのキャッチコピーは「クルマはガソリンで動くのです」。エコ志向のはしりみたいな訴えと、自動車に石油は欠かせないという常識との共存に、誰も疑問を抱かなかったのだろう。
▼時は移ろい半世紀。環境への配慮などから石油燃料に見切りをつけ、電気自動車(EV)にシフトする動きが本格化してきた。フランスに続き英国も、2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止するという。欧州発のこの潮流はクルマの常識を大きく変え、やがて石油文明に転換をもたらすのかもしれない。
▼EVはまだよちよち歩きの印象が強いが、いったん流れが決まれば展開は速いはずだ。モーレツ時代この方、世界の先頭を走ってきた日本車はこれにどう処するか。そしてエネルギー政策を揺るがすこの壮大なテーマに、日本はどう取り組んでいくのか。かの歌のように、なんとかなるぜ 世の中は――とはまいるまい。
要約
[299/300文字]
高度成長のきしみを反映した1971年の某石油会社のCMでは、エコ志向のはしりみたいな訴えと、自動車に石油は欠かせないという常識との共存に、誰も疑問を抱かなかった。
時は移ろい半世紀。
環境への配慮などから石油燃料に見切りをつけ、EVにシフトする動きが本格化。
フランスに続き英国も、2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止するという。
この潮流はクルマの常識を大きく変え、やがて石油文明に転換をもたらすのかもしれない。
EVはまだよちよち歩きの印象が強いが、いったん流れが決まれば展開は速いはずだ。
モーレツ時代この方、世界の先頭を走ってきた日本車はこれにどう処するか。
そしてエネルギー政策を揺るがすこの壮大なテーマに、日本はどう取り組んでいくのか。
[198/200文字]
環境への配慮などから石油燃料から、EVにシフトする動きが本格化。
フランスに続き英国も、2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止するという。
この潮流はクルマの常識を大きく変え、石油文明に転換をもたらすのかもしれない。
EVはまだよちよち歩きの印象が強いが、いったん流れが決まれば展開は速いはずだ。
世界の先頭を走ってきた日本車はこれにどう処するか。
そしてエネルギー政策を揺るがすこのテーマに、日本はどう取り組んでいくのか。