2017/8/30付
いにしえ、起き抜けに視覚に入ったものが美しく清らかだった時など「朝目よし」といったらしい。いい一日になる、というのである。それとは逆にきのうは「朝目わるし」とでもいおうか。ひんぴんとスマホを鳴らす速報やものものしいテレビ画面に胸がざわついた。
▼Jアラートの不穏なサイレンがしじまを破った地域もあったろう。北朝鮮が発射したミサイルは、北海道の南をかすめ、サンマ漁場にも近い霧深き北太平洋に消えた。米韓軍事演習に反発し、グアムに4発撃つと予告しながら、いっとき自制。トランプ米大統領から「敬意を表する」と言われてまもないのに挑発の再開だ。
▼もっとも、この間だって「ソウルを一気に占領し平定する」「米国の土地を水葬にする」といった過激なメッセージはやんでいなかった。金正恩(キム・ジョンウン)氏の夫人には今年に入り3人目の子が生まれたと、おりしも伝えられている。瀬戸際戦術のエスカレートは、何としても王朝を守るという願望が高まっているせいかもしれない。
▼朝鮮半島では昔から俗談(ソクタム)ということわざを多用した。金容権(キム・ヨンゴン)さんの著作から引く。正恩氏も玩味してほしい。「行く言葉が美しくてこそ来る言葉が美しい」。罵りあいは無益だ。「爪先の膿(う)むのはわかるが、心臓の腐るのはわからない」。小利にこだわり大きな損を見逃すまい。「始めが半分だ」。早く交渉の卓につこう。
要約
[292/300文字]
きのうはスマホを鳴らす速報やものものしいテレビ画面に胸がざわついた。
北朝鮮が発射したミサイルは、北海道の南をかすめ、北太平洋に消えた。
米韓軍事演習に反発し、グアムに4発撃つと予告しながら、いっとき自制。
トランプ米大統領から「敬意を表する」と言われてまもないのに挑発の再開だ。
もっとも、この間だって「ソウルを一気に占領し平定する」「米国の土地を水葬にする」といった過激なメッセージはやんでいなかった。
金正恩氏の夫人には3人目の子が生まれたと伝えられている。
瀬戸際戦術のエスカレートは、何としても王朝を守るという願望が高まっているせいかもしれない。
罵りあいは無益だ。
小利にこだわり大きな損を見逃すまい。
正恩氏も早く交渉の卓につこう。
[198/200文字]
きのうはスマホを鳴らす速報やものものしいテレビ画面に胸がざわついた。
北朝鮮が発射したミサイルは、北海道の南をかすめ、北太平洋に消えた。
挑発の再開だ。
もっとも、この間も過激なメッセージはやんでいなかった。
金正恩氏の夫人には3人目の子が生まれたと伝えられている。
瀬戸際戦術のエスカレートは、何としても王朝を守るという願望が高まりかもしれない。
罵りあいは無益だ。
小利にこだわり大きな損を見逃すまい。
正恩氏も早く交渉の卓につこう。