2017/6/11付
「2017年『保活』敗戦記」。月刊誌「東京人」の最新号が、こんなタイトルで働く女性4人の苦闘を紹介している。主に時間とおカネにゆとりのあるシニア男性を相手に、歴史散歩や鉄道沿線案内などの趣味的な読み物を載せる雑誌としては、異色の企画といえる。
▼ルポは今の東京で子を預ける保育園を確保するのがいかに困難かをリアルに伝える。ある女性は保育園探しに都合がいい4月から6月の出産を目指し妊娠の時期を調節、出産までに待機児童の少ない区に引っ越した。それでも5つの認可保育園すべてに落選。高くて遠い無認可施設を利用しつつ、仕事もし、保活も続ける。
▼東京という街は昔から子育てに冷たい面がある。歴史研究家、竹内正浩氏の著書によれば、赤ん坊の泣き声がうるさいと若い夫婦を入居させない民間アパートもあったという。そのため巨大団地が高島平に完成した時は、高めの家賃にもかかわらず20代の夫婦が数多く移り住み、地域の保育園を活用しながら、共に働いた。
▼出産ラッシュが起こり、公園には子どもらの笑い声が響き渡った。今、保育園の新設が反対運動で進まない例が目立つ。生徒の減った小学校の校舎や校庭、団地の空き部屋など、使える空間は結構ありそうだ。高度成長期の遺産を子育て支援に生かし、にぎわいにもつなげる。そんなまちづくりのイノベーションがほしい。
要約
[299/300文字]
月刊誌「東京人」の最新号が、東京で子を預ける保育園の確保がいかに困難か、働く女性4人の苦闘を紹介している。
東京という街は昔から子育てに冷たい面がある。
赤ん坊の泣き声がうるさいと若い夫婦を入居させない民間アパートもあったという。
巨大団地が高島平に完成した時は、高めの家賃にもかかわらず20代の夫婦が数多く移り住み、地域の保育園を活用しながら、共に働いた。
出産ラッシュが起こり、公園には子どもらの笑い声が響き渡った。
今、保育園の新設が反対運動で進まない例が目立つ。
生徒の減った小学校の校舎や校庭、団地の空き部屋など、使える空間は結構ありそうだ。
高度成長期の遺産を子育て支援に生かし、にぎわいにもつなげる。
そんなまちづくりのイノベーションがほしい。
[196/200文字]
東京での子育てや保育園の確保は困難だ。
赤ん坊の泣き声がうるさいと若い夫婦を入居させない民間アパートもあったという。
巨大団地の高島平には、高めの家賃にもかかわらず20代の夫婦が数多く移り住み、地域の保育園を活用しながら、共に働いた。
今、保育園の新設が反対運動で進まない例が目立つ。
生徒の減った小学校、団地の空き部屋など高度成長期の遺産を子育て支援に生かし、にぎわいにもつなげる。
そんなまちづくりのイノベーションがほしい。