[春秋要約170620]「侵入・定着すれば甚大な被害をもたらす」ヒアリが神戸港で見つかった。心配は募る。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/6/20付

イソップ物語には、よくアリが出てくる。その日暮らしのキリギリスを尻目にせっせと食糧を蓄え、冬に備える寓話(ぐうわ)はご存じのとおり。動けぬサナギをからかっていたアリが、羽化して舞う元サナギの姿を見て仰天という話もある。こちらはちょっと間抜けな手合いだ
格好いいのはハトへの恩返しである。川に滑り落ち、ハトが投げてくれた小枝にはい上がって命拾いしたアリ。そのハトが男に殺されそうになったとき、アリは男の足をかんで恩義に報いるのだ。寓話集の成立は紀元前3世紀ごろ。その後も増補や改変を重ねている。いつもこの昆虫は、憎めない存在として語られてきた
▼南米原産で強い毒を持つヒアリがはびこっていたら、物語もずいぶん違っていただろう。ファイア・アントの名のとおり、刺されるとやけどのように痛み、呼吸困難に陥ることもあるという。かくも凶暴な種が近年は中国南部、台湾などにも侵入し、先日はついに神戸港で見つかった。貨物船に潜んでいて上陸したらしい。
市街地から遠く、巣ができている様子もないというが心配は募る国立環境研究所はかねて「侵入・定着すれば甚大な被害をもたらす」と警告していた。とはいえ大半の人は初耳だろうから、まずは正確な知識を得たいものだ。イソップの昔は考えられなかった物流網に、厄介な客もまた便乗する危険を知らねばなるまい。

要約

[292/300文字]
イソップ物語には、よくアリが出てくる。
いつもこの昆虫は、憎めない存在として語られてきた。

しかし、南米原産で強い毒を持つヒアリはファイア・アントの名のとおり、刺されるとやけどのように痛み、呼吸困難に陥ることもあるという。
かくも凶暴な種が近年は中国南部、台湾などにも侵入し、先日はついに神戸港で見つかった。
貨物船に潜んでいて上陸したらしい。

市街地から遠く、巣ができている様子もないというが心配は募る。
国立環境研究所はかねて「侵入・定着すれば甚大な被害をもたらす」と警告していた。
とはいえ大半の人は初耳だろうから、まずは正確な知識を得たいものだ。
イソップの昔は考えられなかった物流網に、厄介な客もまた便乗する危険を知らねばなるまい。

[198/200文字]
南米原産で強い毒を持つヒアリは刺されるとやけどのように痛み、呼吸困難に陥ることもあるという。
かくも凶暴な種が近年は中国南部、台湾などにも侵入し、先日はついに神戸港で見つかった。
貨物船に潜んでいて上陸したらしい。

市街地から遠く、巣ができている様子もないというが心配は募る。
国立環境研究所はかねて「侵入・定着すれば甚大な被害をもたらす」と警告していた。
昔はなかった物流網の発達に、厄介な客もまた便乗する危険を知らねばなるまい。