[春秋要約160906]安倍首相の新外交。中国けん制にロシアを引き込むと、日米同盟が揺らぐ可能性もある。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/9/6付

外交に駆け引きはつきものだが、それでどんな成果をあげたのかは素人目にはわかりにくい国際会議などを総括して「日本が完勝」と書き立てるメディアがたまにあるが、交渉ごとが100対0で終わることはまずない。せいぜい「上手に立ち回った」くらいだろう。
▼そもそも相手を一方的に追い詰めることがよいかどうかも定かではない戦国武将の武田信玄は戦いに勝つとは「五分をもって上とし、七分を中とし、十分をもって下とす」と語ったとされる。「窮鼠(きゅうそ)猫を噛(か)む」のことばもある相手を滅ぼすならばともかく、長くつきあう相手にむやみにけんかを売ってよいことはない
▼日露戦争のあと、明治の元勲、伊藤博文は日露協約の締結に動く勝った勝ったと浮かれていた世論は「恐露病」とバカにした伊藤はなぜ昨日の敵と手を結んだのか。日露講和を仲介した米国が一転して日本の伸長を押さえ込みにかかるのではないかと読んだからだ。維新の荒波をくぐった世代の洞察力大したものだ
▼残念ながら、日露連携はロシア革命で水泡に帰し日本は大陸進出の結果、米英などと抜き差しならない対立陥った。安倍晋三首相が進めるロシアとの新外交行方はどうだろう。中国をけん制するにはロシアの引き込み欠かせないが、下手に動くと肝心の日米同盟が揺らぎかねない。何とも複雑な連立方程式である。

要約

[298/300文字]
外交に駆け引きはつきものだが、交渉ごとが100対0で終わることはまずない。
そもそも相手を一方的に追い詰めることがよいかどうかも定かではない。

日露戦争のあと、明治の元勲、伊藤博文は日露協約の締結に動く。
世論は「恐露病」とバカにした。
伊藤はなぜ昨日の敵と手を結んだのか。
日露講和を仲介した米国が日本の伸長を押さえ込みにかかるのではないかと読んだからだ。
残念ながら、日露連携はロシア革命で水泡に帰し、日本は大陸進出の結果、米英などと抜き差しならない対立に陥った。

安倍晋三首相が進めるロシアとの新外交の行方はどうだろう。
中国をけん制するにはロシアの引き込みが欠かせないが、下手に動くと肝心の日米同盟が揺らぎかねない。
何とも複雑な連立方程式である。

[183/200文字]
外交に駆け引きはつきものだが、相手を一方的に追い詰めることがよいかどうかも定かではない。
日露戦争のあと、明治の元勲、伊藤博文は日露協約の締結に動く。
日露講和を仲介した米国が日本の伸長を押さえ込みにかかるのではないかと読んだからだ。

安倍首相が進めるロシアとの新外交において、中国をけん制するにはロシアの引き込みが欠かせないが、下手に動くと肝心の日米同盟が揺らぎかねない。
何とも複雑である。