[春秋要約170326]女性活躍のためには保育所の数を増やすだけでなく、「安心して」預けられる先が必要。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/3/26付

そこでの食事風景は一見すると「地獄絵図」を思わせた。ジャーナリストの小林美希さんが、訪ねた保育所の一部について、著書「ルポ保育崩壊」で感想を記している手間がかからぬよう、身動きできなくされた子がいた。泣く子を怒鳴る保育士たちの姿も目立った
▼保育士を責めるだけでは問題は解決しない。サービス残業で行事の準備をこなす。休みもとりにくい。辞職者が増え経験の浅いスタッフだけで職場を支える。ある園長は、待機児童解消のために定員以上の子を受け入れろと役所から命じられたと嘆く。志や夢を持ちこの道を選んだ人でも、これでは丁寧な対応は難しい
▼兵庫県姫路市の認定こども園が、定員を超す子供を入園させ、わずかな食事しか与えないなど問題のある運営をしていたとわかった。春からの利用予定者は全員辞退したという。保育士にも「遅刻したら罰金」といった裏ルールを強いていた。ここまでひどい話は例外だろうが、子を持つ親は不安感が高じたかもしれない。
▼仕事と子育てを両立させたい親たちが、子の預け先を必死に探している。しかし、見つけた先が「わが子をここに預けて大丈夫か」という疑念を感じさせるようでは、仕事を続ける決心も揺らぐ。女性の活躍をうたうなら、ただ保育所などの数を増やすだけでなく、「安心して」預けられる先を用意することが大事になる。

要約

[294/300文字]
ジャーナリストの小林美希さんが訪ねた保育所の一部で、手間がかからぬよう身動きできなくされた子や泣く子を怒鳴る保育士たちの姿を見た。

サービス残業や取りにくい休みで辞職者が増え、経験の浅いスタッフが職場を支える。
待機児童解消のため定員以上の受け入れ。
これでは丁寧な対応は難しい。

姫路市の認定こども園が、定員を超す子供を入園させ、わずかな食事しか与えないなど問題のある運営をしていたとわかった。
保育士にも「遅刻したら罰金」といった裏ルールを強いていた。

仕事と子育てを両立させたい親たちが、子の預け先を必死に探している。
女性の活躍をうたうなら、ただ保育所などの数を増やすだけでなく、「安心して」預けられる先を用意することが大事になる。

[185/200文字]
保育所の一部では、サービス残業や取りにくい休みで辞職者が増え、経験の浅いスタッフが職場を支えていた。
これでは丁寧な対応は難しい。

姫路市の認定こども園が、定員を超す子供を入園させ、わずかな食事しか与えないなど問題のある運営をしていた。
保育士には「遅刻したら罰金」といった裏ルールもあった。

女性の活躍をうたうなら、ただ保育所などの数を増やすだけでなく、「安心して」預けられる先を用意することが大事になる。