[春秋要約170425]大阪府が万博に立候補。大人の事情より、子どもたちに何を残せるかに英知を集めたい。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/4/25付

夢のない21世紀を終わらせ、未来が信じられた高度成長期の日本に戻そうと企(たくら)む秘密組織が、大阪万博の会場を再現する。すると大人たちは懐かしさにすっかり心奪われてしまい……。人気アニメ、クレヨンしんちゃんの映画版に、大人を熱狂させたこんな作品がある
▼現実社会で進む大阪万博再現の動きに、まさか陰謀の心配はないだろう。だが「夢よもう一度」的な経済効果への期待が先行するなかで、誘致の是非をめぐる議論は続く関西弁バージョンの報告書が不適切として撤回されたり、大阪がまとめたテーマ案を政府が変更したり。そんな紆余(うよ)曲折も経ての本格スタートである。
▼大阪府の松井一郎知事が立候補を届け出るために、博覧会国際事務局があるパリを訪れた。そのパリはすでに立候補しているので、松井知事は勇躍敵地に乗り込んだ形になる。芸術の都相手では苦戦も予想されるが、パリも揺れている。何度目かのテロ事件が起き、大統領選挙では極右政党の党首が決選投票へ駒を進めた
▼大阪やパリが開催を目指す2025年、世界はより不透明度を増しているかもしれない。冒頭の作品では「未来はオラが守るゾ」と、しんちゃんたち子どもが大活躍する。どこで開かれようと、利益を重視する大人の事情を優先させてはなるまい。子どもたちの世代に何を残していけるか。そのためにこそ英知を集めたい

要約

[300/300文字]
クレヨンしんちゃんの映画版に、秘密組織が大阪万博の会場を再現し、大人たちは懐かしさにすっかり心奪われるという作品がある。

現実社会で、まさか陰謀の心配はないだろう。
だが経済効果への期待が先行するなかで、誘致の是非をめぐる議論は続き、紆余曲折も経ての本格スタートである。

松井一郎知事が立候補の届け出に、博覧会国際事務局があるパリを訪れた。
すでに立候補しているパリもテロ事件や大統領選挙で揺れている。

2025年、世界はより不透明度を増しているかもしれない。
冒頭の作品では「未来はオラが守るゾ」と、しんちゃんたちが大活躍する。
どこで開かれようと、利益を重視する大人の事情を優先させてはなるまい。
子どもたちの世代に何を残せるか。
そのためにこそ英知を集めたい。

[197/200文字]
大阪万博は経済効果への期待が先行するなかで、誘致の是非をめぐる議論は続き、紆余曲折も経ての本格スタートである。

松井一郎知事が立候補の届け出に、博覧会国際事務局があるパリを訪れた。
すでに立候補しているパリもテロ事件や大統領選挙で揺れている。

2025年、世界はより不透明度を増しているかもしれない。
どこで開かれようと、利益を重視する大人の事情を優先させてはなるまい。
子どもたちの世代に何を残せるか。
そのためにこそ英知を集めたい。