はじめにお断りしなければならないのが
僕は絵やデザインなんかに非常に疎いこと。
おそらく色弱の気があること。
カメラは素人で趣味ですとも言えない程度であることである。
なので今回「買った」という事実以上に
使用感やレビューなんかを書いているわけではありません。
1年程前に発売された機種なので、そのあたりは他を参考に。
幼いころの記憶1
さて、幼いころ小学校に入る前はカメラというものが好きだった。
メーカーや機種は覚えていないが、
父親が使わなくなったフィルム式の一眼とレンズがあって
フィルムは入っていなかったが、ちょっとしたおもちゃだった。
黒と銀色の外観にボタンやダイヤル、レンズがついていて
それぞれによくわからない数字や記号が書かれている。
手に持つと子どもには少し重い重量感。
ファインダーからレンズ越しに向こうを覗いてみると、
ピントが合っていないので、手動でレンズをグリグリ回す。
景色が遠くなったり近くなったりして、気に入った大きさを見つけたら
そこでその景色がはっきり見えるようにピントを合わせる。
シャッターを押すと柔らかいような硬いような
独特の「くゎシャッ」という音が鳴る。
電池はもちろんフィルムも入ってなかったが十分面白かった。
フィルムを入れるところを開けても、
フィルムを送るためのギアが目立つくらいで特に何もない。
レンズを外すと、暗い個体の中に鏡が目立っていた。
ファインダーから景色は見えるが、レンズやレンズをはずした鏡のほうから
ファインダー側の景色は見えなかったのが不思議だった。
幼いころの記憶2
そんな楽しみも小学校に入って以降いつのまにか忘れ
4年生の頃だったか、図工の時間に
「鉛筆で自画像を描く」という授業があった。
そこで鏡を見ながら一生懸命自分なりに自画像を描いて
図工の先生に見せたわけだが、見るなり
「あなたはこんな顔じゃないでしょ!」となぜか半怒りで
僕の描いた自画像の上から鉛筆でどんどん修正を加えられた。
修正されている最中子どもなりに色々考えた。
「見方も描き方も知らんねんから教えてくれたらええのに」
「実物のままがええんやったら写真撮ったらええのに」
「こんな顔じゃないって言われても、違う顔を描いたわけじゃない」
「何のために描いたんやろ。わけわからん」
とか思っているうちに、先生は自分の修正に納得がいったのか
「はい!」と自画像を突き返してきた。
先生から返ってきた、おそらく僕であろう自画像は、
僕にとっては余計に誰だかわからなくなっていた。
先生が修正した以上、僕がそこに手を加えるわけにもいかず
残りの時間はすることが無くなってしまい、
ぼーっと時間が過ぎるのを待った。
それ以来、その先生と図工や美術は大っ嫌いになった。
幼いころの記憶3
時をほぼ同じくして、健康診断か何かで色覚検査があって
ある程度の年齢の人はわかると思うが、これをやった。
すると、どうやら結果が思わしくなかったらしく
病院へ行って再検査をすることになった。
「人の見えないような色まで見えてる。特殊能力だ!」と
思ったがどうやらそうではなかったらしい。
とはいえ生まれてこの方、青色と信じている色はやっぱり青色だし
赤色と信じている色は赤色なことに変わりはなく
他の人と見えている景色がちょっと違うであろうというだけのこと。
ちなみに視力は両眼とも2.0で、いまもすこぶる快調である。
ただ、図工での一件もあって、自分のなかでの結論は
「目で見えることを信用してはいけない」と思うようになった。
幼いころの記憶4
またまた、そんなタイミングで読んでいたのが「星の王子さま」で
『心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、目に見えないんだよ』
という一文が、実にハマっていたことを思い出した。
PENTAXのデジイチK-mとコンデジmx-1
何でこんなことをツラツラと書いてしまったというと
今回買ったPENTAX MX-1を持った時に思い出したから。
一応、デジタル一眼でPENTAX K-mという
デジイチのエントリーモデルを持っていて、
標準レンズ以外に単焦点レンズと望遠レンズを所有。
これを買った時は特にそんな風な記憶は戻って来なかった。
他のカメラは知らないけど、K-mもとてもいい商品だと思う。
不満らしい不満は無い。
ちなみに自分で撮った写真の中でお気に入りは
「田んぼの見回りにいってくるわ」という写真。
ただ、もっと気軽に持ち出したかったことと
マクロ撮影がしたいと思い、今回コンデジかミラーレスで検討した。
当初はRICOH GRあたりをイメージしていたのが
いつのまにか、今回購入のPENTAX MX-1である。
今はもうRICOH傘下となったPENTAX。
いわゆる2大メーカーに食指が動かないのが
自分らしいのかもしれない。
本当はMX-1のシルバーモデルがカッコいいなと思っていたが
国内販売はなくて、並行輸入するのもなぁとブラックモデルに。
で、届いたのを持ってみると
コンデジのくせに独特の重量感と触り心地。
そしてボタンやダイヤル類は、こんな感じ
「ほー、何か面白いなぁ」と思いながらいじくっていたら
不思議と昔の記憶が蘇ってきたというわけなのです。
使い込んでもいないので、カメラとしての実力や
細かい性能あたりのことは全くわかりませんが
何かしら開発者の思いがある良いカメラなんだろうと思います。