[春秋要約161105]日本の支援がパゴダのようにミャンマーの格差是正の役に立つことを期待したい。<37文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/11/5付

ミャンマー中部の古都パガンには、「パゴダ」と呼ばれる円すい形の仏塔や寺院跡が2千以上も残る。大部分は11世紀から13世紀にかけて栄えたパガン朝の支配階級が建てたものだ。功徳を積むためのこの造営事業、じつは富の再分配システムでもあったとされている。
▼仏塔や寺院の建造には、レンガなどの資材をつくる職人や、工事に携わる人が必要になる。彼らには賃金として銀塊が支払われた。つまり支配階級がいったん吸い上げた富は、宗教施設の建築を通じ、民衆に還元もされていたわけだ(石井米雄ら編「東南アジア史1」)。格差拡大を抑える仕組みがあったといえるだろう。
▼建設や生産などの経済活動が活発になることで、人々の暮らしが改善する。近年ミャンマーで問題になっている都市と地方の格差も、是正策として効果があるのは経済を活性化することだ。アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相に安倍晋三首相が伝えたインフラ整備などの支援が、そのために役立つことを期待したい。
スー・チー氏は母国の歴史や文化を紹介した著作の中で、子供を地元の寺院に送り、教育を受けさせる習慣が広がっていたことを書いている。伝統的に教育を大事にしてきたという。そうした土壌を生かし、人づくりに力を入れることも格差を和らげる道だ。この国を特徴づける仏塔や寺院には、問題解決のヒントが多い

要約

[295/300文字]
ミャンマーには「パゴダ」と呼ばれる仏塔や寺院跡が2千以上も残る。
功徳を積むための「パゴダ」の造営事業は富の再分配システムでもあった。
格差拡大を抑える仕組みがあったといえるだろう。

建設や生産などの経済活動が活発になると、人々の暮らしが改善する。
近年ミャンマーで問題になっている都市と地方の格差も、是正策として効果があるのは経済活性化だ。
アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相に安倍晋三首相が伝えたインフラ整備などの支援が、そのために役立つことを期待したい。

またミャンマーでは伝統的に子供を地元の寺院に送り教育してきたという。
人づくりに力を入れることも格差を和らげる道だ。
この国を特徴づける仏塔や寺院には、問題解決のヒントが多い。

[196/200文字]
ミャンマーに2千以上も残る「パゴダ」の造営事業は格差拡大を抑える富の再分配システムでもあった。
建設や生産などの経済活動が活発になると、人々の暮らしが改善する。
近年ミャンマーで問題になる都市と地方の格差も、経済活性化に是正効果がある。
日本からのインフラ整備などの支援が、役立つことを期待したい。

またミャンマーでは子供を地元の寺院に送り教育してきた。
人づくりも格差を和らげる。
この国の仏塔や寺院には、問題解決のヒントが多い。