[春秋要約161209]信頼度に欠けると指摘の大手情報サイトが閉鎖。ネット情報は重みが増し議論が必要だ。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/12/9付

がんという病気に関する国内のネット情報は、どの程度正確か。ある医師が調べた論文がある。「肺がん」というキーワードを大手検索サイトに打ち込み、上位50サイトの内容を検証してみたところ、標準とされる治療法を正しく紹介したものは5割以下だったそうだ。
▼米国のサイトで同じ調査をしたら正確なサイトが8割を超えたという。彼我の差に情けなくなるが、調査は9年前のものだ。今では日本のネット情報も改善されたはず――。そんな期待を裏切る残念な事件が起こった大手ネット企業が信頼度に欠ける情報サイトをつくり、利用者などの指摘で閉鎖に追い込まれた一件だ。
自分や家族ががんと宣告された瞬間から情報の海に翻弄される人は多い。ネットで病名を検索し、書店のがんコーナーに足を運ぶと「○○を食べて治った」といった話が並んでいる。書き手により同じ食品が薬にも害にもなる。無治療の勧めあり、高額な治療法の自慢あり。救いを探すはずが、これでは不安ばかりが募る
▼中でも重みが増すのはネットだ。国立がん研究センターの調査では、がんにかかった時の情報収集先で医師や本を抑え、ネットが首位だった。医師も看護師も忙しく、病気の全体像をじっくり聞ける時間が乏しいこともネット頼みを加速する。きちんとした情報をいかにあまねく届けるか。今回の件を機に議論を深めたい。

要約

[280/300文字]
9年前ある医師の調べでは、がんに関する国内のネット情報で標準とされる治療法を正しく紹介したものは5割以下だったそうだ。
米国のサイトで同じ調査をしたら8割を超えたという。

今では改善されたはずとの期待を裏切る残念な事件が起こった。
大手ネット企業が信頼度に欠ける情報サイトをつくり、利用者などの指摘で閉鎖に追い込まれた。

自分や家族ががんと宣告された瞬間から情報の海に翻弄され、不安ばかりが募る。

中でも重みが増すのはネットだ。
国立がん研究センターの調査では、がんにかかった時の情報収集先で医師や本を抑え、ネットが首位だった。
きちんとした情報をいかにあまねく届けるか。
今回の件を機に議論を深めたい

[190/200文字]
9年前ある医師の調べでは、国内のネット情報でがんの治療法を正しく紹介したものは5割以下だったそうだ。
米国のサイトでは8割を超えたという。

今では改善されたはずとの期待を裏切る残念な事件が起こった。
大手ネット企業が信頼度に欠ける情報サイトをつくり、利用者などの指摘で閉鎖に追い込まれた。

がんにかかった時の情報収集先の首位はネット。
きちんとした情報をいかにあまねく届けるか。
今回の件を機に議論を深めたい。