[春秋要約161206]激しい好き嫌いは道を誤らせる。オーストリアでも移民問題で排外主義の火がくすぶる。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2016/12/6付

歌人・斎藤茂吉は感情の人である。気分の波が大きい。並外れて、せっかちだった。すぐに癇癪(かんしゃく)をおこし激怒した。人一倍、好奇心も強かった。戦前、精神科医として欧州に留学。ドナウ川の源流を探すなど広く大陸を旅して、現地で情感あふれる歌を数多く作った。
▼「をりをりに群衆のこゑか遠ひびき戒厳令の街はくらしも」。ミュンヘンではヒトラーのクーデター未遂事件に遭った。雪の街路で、行進曲を聞いた翌朝、機関銃をすえた鎮圧部隊を目にした。一揆に共感したのか。背景に興味を持ち、マルクス主義や国家社会主義の本を読む。大戦中には、戦争協力の歌を熱心に詠んだ。
茂吉が学んだオーストリアで、あやうく戦後初の極右の大統領が誕生するところだった。移民の制限をめぐって国論が二分。「ナチス!」などの罵声が飛び交い、「あまりに感情的で最低の選挙」といわれた。米大統領選の中傷合戦とよく似ていた。極右候補は敗れたが、5割に近い支持があり、排外主義の火がくすぶる
感情は危なっかしい。激しい好き嫌いが分別をなくし道を誤らせる。再起を図ったヒトラーはそこにつけ込んだ。不安をあおる。外に敵を作り、まんまと国民を虜(とりこ)にする。圧倒的な支持を得て、独裁者となった。昔のひとは気がつくと、「排外行進曲」に歩調を合わせていた。見くびっていると、いまの世界も轍(てつ)をふむ。

要約

[300/300文字]
歌人・斎藤茂吉は感情の人である。
人一倍、好奇心も強かった。
戦前、精神科医として欧州に留学。

ミュンヘンではヒトラーのクーデター未遂事件に遭った。
背景に興味を持ち、マルクス主義や国家社会主義の本を読む。
大戦中には、戦争協力の歌を熱心に詠んだ。

茂吉が学んだオーストリアで、戦後初の極右の大統領が誕生するところだった。
移民の制限をめぐって国論が二分。
極右候補は敗れたが、5割に近い支持があり、排外主義の火がくすぶる。

感情は危なっかしい。
激しい好き嫌いが分別をなくし、道を誤らせる。
再起を図ったヒトラーはそこにつけ込んだ。
不安をあおる。
外に敵を作り、まんまと国民を虜にする。
圧倒的な支持を得て、独裁者となった。
見くびっていると、いまの世界も排外主義になりかねない。

[199/200文字]
斎藤茂吉は感情の人である。
ミュンヘンでヒトラーのクーデター未遂事件に遭い、背景に興味を持ち、マルクス主義や国家社会主義の本を読む。
大戦中には、戦争協力の歌を詠んだ。

茂吉が学んだオーストリア大統領選で移民制限をめぐり国論が二分。
極右候補は敗れたが、5割近い支持があり、排外主義の火がくすぶる。

激しい好き嫌いは分別をなくし、道を誤らせる。
ヒトラーはそこにつけ込み独裁者となった。
見くびっていると、いまの世界も排外主義になりかねない。