[春秋要約170625]トランプ氏の威光の衰えかフォード生産拠点の中国シフトにメキシコは割を食った形だ。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/6/25付

「まったくもって不名誉なことである」。1年あまり前、まだ米大統領候補だったドナルド・トランプ氏は、大手自動車メーカーのフォード・モーターにこんな言葉を投げつけた。小型車「フォーカス」の生産を米国内からメキシコにうつす計画に対する批判だった。
▼当選したトランプ氏の大統領就任が近づいていたことし1月はじめ。フォードはメキシコでの計画を白紙に戻すと発表した同社はおもてむき次期大統領の意向を「忖度(そんたく)」したのではないと強調したのだけれど、トランプ氏ご本人はご満悦だった。振り返ると、あのころがトランプ氏の威光の頂点だったのかもしれない。
▼今月20日。フォードは「フォーカス」の生産を中国に集中させると発表した。それまでの経緯を踏まえるなら、トランプ大統領はじめ政権から厳しい反応があるかも、と予想するのは自然だろう。実際にはウィルバー・ロス商務長官が「多国籍企業は移り気だ」とコメントしただけ。腰砕け。そんな言葉を思い浮かべた
▼実はこの間にフォードの最高経営責任者(CEO)は交代していた低迷が続いてきた業績を立て直す特効薬として、新CEOは中国シフトに踏み切った形だ。そうしたフォードの事情を踏まえても、トランプ大統領の威光が衰えた印象は強い。そして、最も割を食ったのはメキシコで、最も得をしたのは中国にみえる。

要約

[300/300文字]
1年あまり前、米大統領候補だったドナルド・トランプ氏はフォードの「フォーカス」生産拠点をメキシコへうつす計画を批判。

1月はじめフォードはメキシコでの計画を白紙に戻すと発表。
振り返ると、あのころがトランプ氏の威光の頂点だったのかもしれない。

今月20日。
フォードは「フォーカス」生産を中国に集中させると発表。
それに対しトランプ政権からはウィルバー・ロス商務長官が「多国籍企業は移り気だ」とコメントしただけ。

実はこの間にフォードのCEOは交代していた。
低迷が続いてきた業績を立て直す特効薬として、新CEOは中国シフトに踏み切った形だ。
そうしたフォードの事情を踏まえても、トランプ大統領の威光が衰えた印象は強い。
メキシコは割を食い、中国が得をしたようにみえる。

[198/200文字]
大統領候補だったトランプ氏の批判で、1月はじめフォードは「フォーカス」生産拠点のメキシコ移転計画を白紙に戻すと発表。

今月20日、「フォーカス」生産の中国集中を発表。
トランプ政権からはウィルバー・ロス商務長官の「多国籍企業は移り気だ」とのコメントのみ。

業績を立て直す特効薬として、交代した新CEOは中国シフトに踏み切った。
フォードの事情を踏まえても、トランプ大統領の威光が衰えた印象は強い。
メキシコは割を食い、中国が得をしたようにみえる。