[春秋要約170823]トランプ米大統領の側近バノン氏の解任。米国の混迷は世界の混迷。いつまで続くのか。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/8/23付

レーニン主義者だ、という。ちょうど1世紀前に起きたロシア革命の指導者の手法にならって政権を奪取し、国のかじ取りをしようとしていたのだろうか。トランプ米大統領の側近中の側近とされ、先週末、首席戦略官と上級顧問の任を解かれたバノン氏のことである。
冷戦が終わって神通力を失った旧ソ連建国の父の名だ。それをホワイトハウス中枢の要人が冠していたとは違和感を禁じ得ぬが、共通のキーワードはどうやら「現体制の破壊」らしい。反グローバル化、環太平洋経済連携協定(TPP)やパリ協定からの離脱と、米国第一の政策で支持層の白人労働者らから喝采を浴びた
▼一部イスラム圏からの入国禁止令や人種差別に鈍感ともとれる大統領の発言もバノン氏の影響があるとされ、国内の亀裂は深くなるばかりだった。確かレーニンは、臨時政府と労働者や兵士の「評議会」の二重権力を前に同志へ蜂起を促したバノン氏も分断された片方を足場に一気に潮流を変えたかったのかもしれない。
▼「大統領の敵対勢力と戦争を始める」。右派メディア会長に戻ったレーニン主義者は語っている。目指す「アメリカ革命」は未完、と言いたげだ。ただ、政権は皮肉にも軍人、忠臣と家族に担われ、宮廷のごとく収まった感がある。空中戦での援護の効果はいかほどだろう米国の混迷は世界の混迷。いつまで続くのか。

要約

[291/300文字]

トランプ米大統領の側近中の側近とされるバノン氏が先週末、首席戦略官と上級顧問の任を解かれた。

「現体制の破壊」をキーワードに、米国第一の政策で支持層の白人労働者らから喝采を浴びた。

一部イスラム圏からの入国禁止令や人種差別に鈍感ともとれる大統領の発言もバノン氏の影響があるとされ、国内の亀裂は深くなるばかりだった。
バノン氏は分断された片方を足場に一気に潮流を変えたかったのかもしれない。

「大統領の敵対勢力と戦争を始める」。
右派メディア会長に戻ったレーニン主義者は語っている。
目指す「アメリカ革命」は未完、と言いたげだ。
政権は皮肉にも軍人、忠臣と家族に担われ、宮廷のごとく収まった感がある。
米国の混迷は、世界の混迷。
いつまで続くのか。

[200/200文字]
トランプ米大統領の側近バノン氏が、首席戦略官と上級顧問の任を解かれた。

「現体制の破壊」をキーワードに、米国第一の政策で支持層の白人労働者らから喝采を浴びた。

国内の亀裂は深くなるばかりだった。
バノン氏は分断された片方を足場に潮流を変えたかったのか。

右派メディア会長に戻り「大統領の敵対勢力と戦争を始める」と語り、「アメリカ革命」は未完、と言いたげだ。
政権は軍人、忠臣と家族に担われ、収まった感がある。
米国の混迷は、世界の混迷。
いつまで続くのか。