[春秋要約170419]長崎地裁の判決は諫早湾開門差し止めだが、漁業と農業を引き裂いた国が解決すべきだ。<40文字> #sjdis #sjyouyaku

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2017/4/19付

鏡のような海。この表現がぴたり当てはまるのは長崎県の諫早湾だろう。湾の北側を走るJR長崎本線の車窓にも、南側に敷かれた島原鉄道の行く手にも、にぶく光る真っ平らな海が広がる。人々はその恵みを生かしてずっと昔から干拓を手がけ農地を増やしてきた
▼これをもっと大規模にやろう、広大な干拓地をつくって食糧増産に役立てよう。そんな構想が出てきたのは戦後まもなくである。時代は変わり、計画に疑問符も付くようになったのだが公共事業は走り出したら止まらない国が水害対策などの目的も加え、湾の中央に築いた全長7キロの潮受け堤防で海を閉じて20年になる。
▼以来、湾を閉め切ったから漁が振るわなくなったとして堤防の開門を求める漁業者と、そんなことをしたら農地がダメになると抗(あらが)う営農者の紛争はこじれるばかりである。どちらにも言い分があり、何よりも生活がある。いさかいは司法に持ち込まれるも判断は分かれ、おとといは長崎地裁が開門差し止めの判決を出した
混乱の張本人は、間違いなく国だ。立ち止まることなく干拓を推し進め、地域に深刻な亀裂をもたらした。漁業と農業と、ふたつの営みが静かに共存しうるコミュニティーを引き裂いた罪を自覚して、袋小路を脱する道を探らなければなるまい。人の世の不幸な争いを、鏡のような諫早湾はじっと映して解決を待っている

要約

[299/300文字]
鏡のような海という表現が当てはまる長崎県の諫早湾。
人々はその恵みを生かしてずっと昔から干拓を手がけ、農地を増やしてきた。

これをもっと大規模にやろうとの構想が出てきたのは戦後まもなくである。
時代は変わり、計画に疑問符も付くようになったが、堤防で海を閉じて20年になる。

以来、漁が振るわなくなった漁業者と農地を守りたい営農者の紛争はこじれている。
いさかいは司法に持ち込まれるも判断は分かれ、おとといは長崎地裁が開門差し止めの判決を出した。

干拓を推し進め地域に深刻な亀裂をもたらしたのは国だ。
漁業と農業を引き裂いた罪を自覚して、袋小路を脱する道を探らなければなるまい。
人の世の不幸な争いを、鏡のような諫早湾はじっと映して解決を待っている。

[193/200文字]
諫早湾では昔から干拓を手がけ、農地を増やしてきた。

戦後まもなく大規模にやろうとの構想が出てきた。
堤防で海を閉じて20年になる。

以来、漁が振るわなくなった漁業者と農地を守りたい営農者の紛争はこじれ、おととい長崎地裁が開門差し止めの判決を出した。

干拓を推し進め地域に亀裂をもたらしたのは国だ。
漁業と農業を引き裂いた罪を自覚して、袋小路を脱する道を探らなければなるまい。
人の世の不幸な争いの解決を諫早湾は待っている。